『W-NIKKOR・C f/2.5 3.5cm』は, 約60年前に製造された日本光学のオールドレンズ.ほどよく周辺減光(写真の四隅が中心より暗く写る現象)するため,ストリートスナップを愉しむのにもよい.
周辺減光は古いレンズ,特に広角レンズやフルサイズカメラを使っている時に発生しやすい.周辺減光は必ずしも悪いものではなく,自然にレトロな表現になるのでフィルム時代のような味わい深い写真を撮ることができる.
久しぶりにW-NIKKORを使って写真を撮ったが,このレンズ魅力はその独特な描写力にあると改めて感じた.
描写特性をまとめると以下のとおり.
センター付近は解像感もありシャープな結像.周辺へいくにしたがって,像面湾曲の影響で前ピン傾向になり,芯はあるがフレア発生によって徐々にシャープネスが低下していく.
ただし,点像が不自然な変形をすることが無いので,素直で癖の無い描写をしてくれる.歪曲は1%以下に収まっており,倍率色収差も小さく,若干絞り込むことでシャープネスの向上が期待できる.
<了>
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