レンズの明るさ.#写真についての覚書

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カメラに付けるレンズの明るさについてのメモ(個人的な覚書)です.

カメラレンズの明るさを理解するうえで,大切な考え方を紹介しています.「明るいレンズってどんなことだろう??」と,疑問に感じている人の参考になれば幸いです.

レンズの明るさとは

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「明るい窓」と言っても,窓それ自体が光っているわけではない.あくまで言い回しや例え話で,実際は外の光をよく通す大きな窓という意味.

しかし,ちょっと掘り下げて考えてみると,窓が大きいだけでは部屋の明るさは決まらない.例えば,1m×1mくらいの大きさの窓がある部屋を想像してみてほしい.仮に4畳半とか6畳くらいの部屋であれば,これだけの窓があれば結構な明るさになる.しかし,20畳のリビングルームに1m×1mの窓しかないと日当たりが良くても暗い部屋になってしまう.

窓のサイズでは,部屋の明るさは決まらないということ.同じ大きさの窓でも,部屋のほうが大きければ,窓の反対側は光が届きにくく暗くなってしまう(=暗い窓ということになる).逆に,小さな窓から入るささやかな光でも,小さな部屋であれば全体は明るくなる(=明るい窓ということ).

同じ窓でも,部屋が大きければ暗く,部屋が小さければ明るくなる.

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このことを,レンズの明るさを考えるうえでも理解しておくとよいと思う.

明るいレンズ,暗いレンズというのも単純に光を多く通す直径の大きいレンズということではなく,レンズからフィルム(現代のデジタルカメラであれば撮像素子)までの距離も関係しており,レンズから撮像素子までの距離が長ければ,レンズの直径が大きくても暗いレンズになるということ.

広角レンズでは,レンズ経がそれほど大きくなくても明るいレンズになのに,望遠レンズでは,先端に大きなレンズがついていてもそれほどF値が明るくならないのは,この原理が働いているからである.何本か画角の違うレンズを持っている人は,手元にある同じF値のレンズを,焦点距離別でいくつか比較してみるとよく解ると思う.

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少しはここまでの話をまとめてみよう.

レンズの明るさは,「光を通すレンズの直径」と「フィルム(または撮像素子)までの長さ=焦点距離」との比率で表すことになっている.レンズの直径が2センチで,焦点距離が7センチであれば「2:7の明るさ」ということになる.レンズの直径を「1」として表すのが一般的なので,この場合は「1:3.5」で表記される.(そうしておけば,単位がセンチでもインチでも明るさだけを表現できる)

「NIKKOR-P.C」がレンズ名で,「1:2.5」がレンズの明るさ,「f=10.5cm」が焦点距離ということになる.

カメラのレンズの周りを見ると,↑の画像のように

  • レンズの名前
  • 明るさ
  • 焦点距離

が表記されている.画像を例にすると「NIKKOR-P.C」がレンズ名で,「1:2.5」がレンズの明るさ,「f=10.5cm」が焦点距離ということになる.このレンズは古いレンズなので,最近のレンズだと焦点距離は「mm(ミリ)」で表してある.

なにかの本で読んだが,レンズに表記されているのは一応の標準値であって,実際に測ってみると1-2mmは違っていることがあるらしい.実際にレンズを分解して計測したことはないので,あくまで誰かに聞いた話ということで.あしからず.

以上,簡単なまとめでしたが,「レンズの明るさ」についての覚書でした.

〈了〉

SourceNotes

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