『罪と罰』を読んでいます。
『罪と罰』は、19世紀後半のロシアを代表する文豪ドストエフスキーの代表作で、『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』と本作はドストエフスキーの5大作品と呼ばれています。
『カラマーゾフの兄弟』も読んだのですが、ドストエフスキーの作品は登場人物も多く、そもそも作品自体が長い(カラマーゾフの兄弟は、上中下巻の3冊構成で1,500ページ以上あります。『罪と罰』も、上下巻構成で1,000ページ程度)ので、途中で何度も迷子になりそうになります。
特に『罪と罰』は、登場人物も多く関係性も複雑です。
ということで、読書しながらになりますが…、
- 登場人物
- 登場人物の他の呼び名(ここが特に厄介です)
- 登場人物の概要
を記事にまとめていきたいと思います。
読了後には自分なりの相関関係を図解したものも追加しようと考えているので、『罪と罰』をこれから読もうとしている人や、一度『罪と罰』に挫折してしまった人の一助になればと思っています。
また、『罪と罰』の大まかなストーリーを理解するには、『まんがで読破シリーズ』がおすすめです。
個人的に『罪と罰』は、結末やストーリーを知ってしまっても本から得るものがとても多い作品だと感じています。
ネタバレを気にしないで読書できる人は、漫画→活字の順番で読むと内容をより理解しやすいので試してみてください。(漫画版のリンクは記事末に張っておきます)
【罪と罰】登場人物と概要
ここからは、記事の本題である『罪と罰』に登場する登場人物について、一人ずつ紹介していきます。
個人的に、重要だと思う人物から紹介しています。
登場人物ごとに、
- 人物の概要
- 他の呼び名
の順で書いています。
ストーリーの重要な部分にも触れていますので、ネタバレがNGの人はここから先は読まないでください。
ラスコーリニコフ
本作品の主人公で、自らを天才と信じる元学生(お金がなく大学を中退)。
学生時代に書いた論文に基づき、独自の理論で殺人を犯すが良心の呵責により、精神的に破綻していく。
鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸しの老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合わせたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえはじなければならなかった。
罪と罰(新潮文庫版):背表紙より引用
ラスコーリニコフの愛称・その他の呼び名
- ロージャ
- ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ
- ロージェンカ
ソーニャ
家族を養うために娼婦となり働く。
献身的な生き方がラスコーリニコフに影響を与えていく。(物語が進むとラスコーリニコフと恋仲になります)
ソーニャの愛称・その他の呼び名
- ソーニャ・セミョーノヴナ
- ソーネチカ
- マルメラードヴァ
- ソーフィヤ(訳によってはソーニャでなく「ソーフィヤ」)
ポルフィーリ
アリョーナ殺人事件を担当する判事(予審判事)、ラズミヒンの従兄弟(または遠い親戚)。
ラスコーリニコフを犯人とにらみ真相に迫っていく。
ポルフィーリの愛称・その他の呼び名
- ポルフィーリ・ペトーロヴィチ
- ポルフィーリイ(訳によっては末尾に「イ」が入ることもあります)
スヴィドリガイロフ
ドーニャが家庭教師をしていた家の主人。
既婚者だが、ドーニャに恋をして自分のものにしようとする。
(妻は亡くなるが、スヴィドリガイロフが殺害した可能性が高い)
話が進むと、ドーニャに振られて最後はピストル自殺します。
スヴィドリガイロフの愛称・その他の呼び名
- アルカージイ・イワーノヴィチ
アリョーナ
高利貸しを営む老婆。
悪辣に金を溜め込んでいるとして、ラスコーリニコフに殺害される。
リザヴェータの姉。
アリョーナの愛称・その他の呼び名
アリョーナ・イワーノヴナ
リザヴェータ
アリョーナの妹。
たまたまアリョーナの殺害現場に遭遇してしまったため、ラスコーリニコフに殺されてしまう。
リザヴェータの愛称・その他の呼び名
- リザヴェータ・イワーノヴナ
ラズミーヒン
ラスコーリニコフの友人、ドーニャと結婚する。
学生で地主のせがれ。
ポルフィーリとは親戚関係。
ラズミーヒンの愛称・その他の呼び名
- ドミートリィ・プロコーフィチ
- ウラズミーヒン
プリヘーリヤ
ラスコーリニコフの母。
プリヘーリヤの愛称・その他の呼び名
- プリヘーリヤ・アレクサンドリヴナ・ラスコーリニコヴァ
ドーニャ
ラスコーリニコフの妹。
兄思いで、お金を得るためにルージンと婚約する。(後に破談)
ドーニャの愛称・その他の呼び名
- アウドーチヤ・ロマーノヴナ
- ドゥーニャ(訳によっては「ドゥーニャ」)
- ドーネチカ
マルメラードフ
ソーニャの父親。(カテリーナ・イワーノヴナの夫)
カテリーナと結婚した当時は真面目に仕事していたが、今でいうリストラにあう。
その後も一度仕事につくが、また失業、次第に酒に溺れていく。
今は、アマリヤの家を間借りして、カテリーナや子供たち家族と暮らしている。(ソーニャは自分の仕事を負い目に感じて、別の家で一人暮らし)
マルメラードフの愛称・その他の呼び名
- セミョーン・ザハールイチ
カテリーナ
マルメラードフの妻。(ソーニャは、マルメラードフと前妻の娘なので義母の関係)
ポレーチカ(長女)、コーリャ(長男)、レーニャ(次女)の3人は前の夫との子供。(ソーニャと3人の兄弟は血がつながってない)
カテリーナの愛称・その他の呼び名
- カテリーナ・イワーノヴナ
ルージン
ドーニャの婚約者でお金持ち。
お金目当ての結婚だったため、ラスコーリニコフと喧嘩して破談に。
ルージンの愛称・その他の呼び名
- ピョートル・ペトーローヴィチ・ルージン
レベジャートニコフ
ルージンの同居人。
マルメラードフとは、隣人関係にある。
レベジャートニコフの愛称・その他の呼び名
- アンドレイ・セミョーノヴィチ
ミコライ
事件当日、アリョーナの住むアパートの下の階で作業をしていたペンキ職人。警察の取調により、自白(冤罪)してしまう。
ミコライの愛称・その他の呼び名
- 特になし
アマリヤ
マルメラードフ一家に家を貸している。
アマリヤの愛称・その他の呼び名
アマリヤ・フィードロヴ・ナリッペヴェフゼル
フォミッチ
警察署長。
フォミッチの愛称・その他の呼び名
- ニコージム・フォミッチ
ペトローヴィチ
警察の副所長。あだ名は「火薬中尉」。
ペトローヴィチの愛称・その他の呼び名
- イリヤ・ペトローヴィチ
ザミョートフ
警察署の事務官。
ザミョートフの愛称・その他の呼び名
- アレクサンドル・グリゴーリエヴィチ・サミョートフ
ナスターシヤ
ラスコーリニコフの住むアパートの料理女。
ザナスターシヤの愛称・その他の呼び名
- ナスターシュシカ
- ナスターシャ(翻訳によってはヤが小文字)
- ナスターシャ・ペトローワ
プラスコーヴィヤ・パーヴロヴナ
ラスコーリニコフの住む下宿のおかみ。
プラスコーヴィヤ・パーヴロヴナの愛称・その他の呼び名
- パーシェンカ
ナターリヤ・エゴーロヴナ
故人。
下宿のおかみプラスコーヴィヤ・パーヴロヴナの娘。
生前、ラスコーリニコフと婚約していた。
ゾシーモフ
ラズミーヒンの友人で医者。
ラスコーリニコフが4日間寝込んだ時の、治療を行う。
【罪と罰】人物相関図 ※作成中です…。
SourceNote
- ウィキペディア:ドストエフスキー
- 罪と罰・人物相関図
- ラスコーリニコフの呼び名についてはこちらのサイトも参照にしています
参考書籍
上記のウェブサイト以外にも、新潮文庫版(工藤誠一郎訳)とまんがで読破シリーズも参照しています。
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