『写真論集成』多木 浩二著,岩波現代文庫 #写真についての覚書

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多木 浩二(たき こうじ 1928-2011年)は,美術,写真,建築といった分野の評論家で,芸術史,美術史の専門家でもある.『眼の隠喩』や『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読』などの著書も複数出版されている.今回紹介する『写真論集成』は多木浩二の著書の一冊で,タイトルのとおり著者の30年にわたる写真論を集成した本である.

第1部は著者による写真論の概論,第2部は写真家論,第3部は媒体としての写真やメディア論,第4部はファッション写真の歴史.本書は大まかにこのような構成になっている.あとがきに書かれているように,第1部は抽象的な議論も多く,第4部は「ファッション写真史」とくくってしまうことはできないほど,多くのテーマが取り扱われている.

第四部は,モードという神話的な現象を支えるファッション写真が,どのような環境から形成されてきたかをたどった.矛盾だらけではあるが,ブルジョワジーの社会における神話が写真のしなやかな能力を利した,スノビズムの愉しきアルケオロジーである.

『写真論集成』あとがきより引用

参照:スノッブ/Wikipediaアルケオロジー/コトバンク

最近購入した『死ぬまでに観ておきたい世界の写真 1001』と併読しながら,写真論の世界を愉しみつつ学びを深めようと考えている.

<了>

『死ぬまでに観ておきたい世界の写真 1001』は1820〜2010年代までの写真史がまとめられている.
一生添い遂げたい本にカテゴライズしていい名著だと思う.
手元にある文庫本の低下は1,400円(+税),最近新品は市場から無くなりつつある.

SourceNote

  • 『写真論集成』
  • 『死ぬまでに観ておきたい世界の写真 1001』
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