CEROは「Computer Entertainment Rating Organization」の頭文字をとった言葉で,読み方は「セロ」.日本国内で販売される家庭用ゲームの内容を審査し,ユーザーの目安となる「年齢別レーティング区分」の表示を行っている団体です.
例えば,弊ブログでも書くことの多い『FORTNITE(フォートナイト)』は,CEROで「15歳以上が対象」にレーティングされています.”フォートナイトが子供に悪影響がある”といった主張を,たまにネットで見かけます.
そもそも”15歳以上のプレイは推奨しないよ”とCEROがレーティングしているので,心配な親御さんは,高校生くらいまではプレイさせないほうがよいでしょう.「悪影響があるかもよ」とCEROがレーティングしているものをプレイさせておいて,問題が起こったときにフォートナイトのせいにするのはよくありません.
このような判断の際に, CERO のレーティングは役に立ちます.
フォートナイトは,CEROで15歳以上が対象にレーティングされている > プレイさせるのであれば,保護者による見守りは必要と考えるべき.フォートナイトを子供にプレイさせている保護者の方は,ぜひ CERO のレーティングを理解しておきましょう.
- CERO のレーティングマークの種類
- 年齢別レーティング制度の概要や仕組み
- フォートナイトは CERO で「15才以上が対象」と定められている
CERO レーティングマーク の種類
CERO のレーティングマークは,大きく2つに別れます.
- 年齢区分マーク
- その他のマーク
CERO にはいくつかのレーティングマークがあります.その中でもっとも重要かつメジャーなマークがここで紹介する「年齢区分マーク」.
冒頭紹介した「フォートナイトの対象年齢は,15才以上」というのも年齢区分マークを参照にしています.
年齢区分マーク
年齢区分マークは以下の5種類.ゲームをしたことがあれば,このマークを見たことがあるでしょう.年齢区分マークは,パッケージの表面左下部分に表示されるルールになっています.
また,パッケージの背表紙には帯色をつけて表示されています.帯色は以下のように定められているので,手元にゲームのパッケージがある人はチェックしてみてください.
- A(全年齢対象):黒
- B(12才以上対象):緑
- C(15才以上対象):青
- D(17才以上対象):橙
- Z(18才以上のみ対象):赤
手元にある『ファイナルファンタジー Ⅶ リメイク』は,「C(15歳以上が対象)」,『Horizon Zero Dawn』は「D(17歳以上が対象)」にレーティングされていました.
その他のマーク
その他のマークもいくつかの種類あります.「教育・データベース」「規定適合」「審査予定」の3つ.それぞれ CERO の公式ページから説明を引用します.
「教育・データベース」: 各種教育用ソフトや、データベース的なソフト(お絵描きソフトなど)に表示されます。
「規定適合」: 製品化前のソフト(体験版ソフトなど)について、CEROが定める禁止表現の有無に限定して審査し、禁止表現が無いことが確認されたソフトに表示されます。(正式なレーティング審査で、AからZまでのいずれかのレーティングがつきます)
「審査予定」: ゲームメーカーが制作中のソフトをプロモーションする場合に、販促物などに表示されます。(審査はしていません)
コンテンツディスクリプターアイコン
ゲームパッケージの表面や背表紙には,↑で説明した「レーティングマーク」が表示されています.これ以外に,裏面には「コンテンツディスクリプターアイコン(略してコンテンツアイコン)」が表示されています.
コンテンツアイコンは,対象年齢を決定した根拠となる表現を示すもの.全部で9つのカテゴリーに分類されています.保護者の方でゲーム内容が気になる場合,レーティングマークとあわせて,裏面のコンテンツアイコンも確認しましょう.
ゲームをプレイしなくても,ゲーム内でされている表現が分かります.購入の参考や指標となります.
- 恋愛
- セクシャル
- 暴力
- 恐怖
- 飲酒 / 喫煙
- ギャンブル
- 犯罪
- 麻薬など薬物
- 言葉 / その他
年齢別レーティング制度とはどんな制度なのか??
最後に,年齢別レーティング制度とはどんな制度なのかをまとめます.ここまでに紹介してきたレーティングが,どのような基準で,どのようなルールで決められているかを理解するのに役立ちます.
年齢別レーティング制度
ゲームソフトの表現内容にもとづき、対象年齢等を表示する制度です。国内で販売される業務用ゲームソフトを除く家庭用ゲームソフト等が年齢区分マークの表示対象となります。表示する年齢区分マークは、CERO倫理規定にもとづいて行われる審査により、それぞれの表示年齢以上向けの内容が含まれていることを示しています。
ゲームソフトに年齢区分を表示することにより、 含まれる表現内容の対象年齢がわかるため、安心して購入し、楽しんでいただくことができます。
審査の対象となるゲームはどんなゲームか??
CERO の審査対象となるのは,日本国内で販売されている家庭用のゲームソフトです.(業務用のゲームソフトは除く)
以下の表にあるプラットフォーム(ゲーム機)向けに販売されているソフトウェアが対象となり,その中には本編だけでなく,隠しコマンドや裏技など収録されているコンテンツすべてが含まれます.
審査の対象となるゲームは、日本国内で販売される業務用ゲームソフトを除く家庭用ゲームソフト等であり、以下のハードウェアあるいはサービス向けに開発・販売されるものです。ゲームソフトの本編だけでなく、隠しコマンドや裏技等、収録する全ての表現が審査の対象となります。
開発している企業 | プラットフォーム |
---|---|
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント | プレイステーション プレイステーション2 プレイステーション・ポータブル(goを含む) プレイステーション3 プレイステーション・ヴィータ プレイステーション4 プレイステーション5 |
任天堂株式会社 | ニンテンドウ64 ニンテンドーゲームキューブ ゲームボーイ ゲームボーイアドバンス ニンテンドーDS ニンテンドー3DS Newニンテンドー3DS Wii WiiU Nintendo Switch |
日本マイクロソフト株式会社 | Xbox Xbox 360 Xbox One Xbox Series X|S |
株式会社セガゲームス | ドリームキャスト |
株式会社バンダイナムコエンターテインメント | ワンダースワン |
パソコンメーカー各社 | パーソナルコンピュータ (対応OS:Windows各種、MAC各種) |
携帯電話メーカー各社 | 携帯電話・スマートフォン等 (対応OS:Android、iOS、WindowsPhone等) |
クラウドゲーム・サービス提供各社 | クラウドゲーム・サービス |
2020年10月現在
CERO レーティングの審査方法
CERO のレーティングは,以下の5つのステップで審査が行われます.基準に基づく審査が実施され,判定結果がでた後にメーカーは年齢区分マークを製品に表示することができるようになります.
- ソフトウェアメーカーからゲームソフトの倫理審査の依頼を受ける。
- 依頼された作品について複数の審査員が、表現内容等について審査をする。※審査の対象となる表現項目は、「2.レーティングの対象となる表現項目」の27項目で、それぞれの表現項目には上限があり、上限を超える表現内容を禁止表現とし、禁止表現を含むソフトにはレーティングを与えないようにしております。
- それぞれの審査結果をもとに、年齢区分を決定する。
- 判定結果をソフトウェアメーカーに通知する。
- ソフトウェアメーカーは、判定結果に基づき年齢区分マークを製品に表示する。
〈了〉
SourceNotes
- CERO 特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構
https://www.cero.gr.jp/publics/index/17/#block47 - Wikipedia: コンピュータエンターテインメントレーティング機構
CERO = コンピュータ エンターテインメント レーティング機構