『樽(原題: The Cask)』F・W・クロフツ著,登場人物と相関図 #事件の犯人などの重大なネタバレは無し #相関図はもう少しお待ち下さい

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Photo : SMATU.net


F・W・クロフツ(フリーマン ウィルス クロフツ)のデビュー作で,1920年に出版された『樽(原題: The Cask)』.1920年は,アガサ クリスティの『スタイルズ荘の怪事件』も出版されており.推理小説の創作にとってきわめて重要な年とも言われている.

『樽(原題: The Cask)』のあらすじ

『樽』は,ロンドンとパリを主な舞台としたイギリスの探偵小説

埠頭の荷揚げ中に荷物(形状の珍しい樽)の落下事故が起こり,その中から女性の死体が発見される.スコットランドヤードの刑事であるバーンリーが,ロンドン → パリと樽の行方を追いながら捜査をするが謎は深まっていくばかり.果たして事件の真相は!?.樽に入れられた女性はなぜ殺され,なぜ樽で運ばれていたのか!?.

クロフツの『樽』は,ミステリー小説にリアリズムを持ち込んだ作品の原点であり,『樽』に影響を受けたと考えられる推理小説も非常に多く書かれている.まさに,ミステリー小説のよき古典とされる作品.(僕も父親から「樽は読んどけ」と進められて手に取りました)

古典ではあるものの,2020年現在でも楽しく読むことができます.この記事では『樽』の登場人物と相関図,物語を読んで迷子にならないように(本書215〜216ページからの)事件要所の時系列をピックアップしてまとめています.

「これから,ミステリーの歴史的名著である『樽』を読もうと思う」そんな方の”読書のお供”となれれば幸いです.

クロフツの『樽』,クリスティの『スタイルズ荘の怪事件』ともに,1920年に出版.
クロフツの『樽』,クリスティの『スタイルズ荘の怪事件』ともに,1920年に出版.

『樽(原題: The Cask)』の登場人物

Photo : iStock by Getty Images
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『樽』人物相関図

※製作中※
わかりやすいものを作るので,相関図はもう少しお待ち下さい.

かわりに背表紙のあらすじをどうぞ.
かわりに背表紙のあらすじをどうぞ.

『樽』の登場人物

エイヴリー

島嶼大陸海運会社社長(とうしょたいりくかいうん),別名: インシュラー アンド コンチネンタルといい,通称「I & C」.

トム ブロートン

島嶼大陸海運会社の社員,エイヴリーより樽の管理(検品)を任せられる.

レオン フェリクス

ロンドンに拠点を置く画家,I & C の輸送する樽の送り先が「レオン フェリクス宛て」となっている.

ウィリアム マーティン

医師,フェリクスの隣人で友人.

アルフォンス ル ゴーティエ

ワイン商,フェリクスの友人,フェリクスと富くじで賭けをする.

ポール デブネ

デュピエール商会社長,パリで彫刻など美術品を取り扱っている.

ラウール ボワラック

アヴァロット製作所社長

アネット ボワラック

ラウールの妻,レオン フェリクスとは以前から面識がある.

フランソワ

ボワラック家の執事,几帳面で信頼のおける性格.

ショザンヌ ドーデ

アネット付きの小間使い.

ピエール ボンジョーズ

アネットのいとこ.

バーンリー

スコットランドヤード警部.小説の人物紹介に習ってこの位置で紹介しています.しかし,物語の前半部分は主人公的なポジションの人.

ショーヴェ

パリ警視総監.バーンリーと合同で捜査にあたる.

ルファルジュ

パリ警視庁刑事,バーンリーの相棒のような存在.

ジョン ウェイクフィールド クリフォード

事務弁護士.

ジョルジュ ラ トゥーシュ

私立探偵.



『樽』を読んでいて時系列が分からなくなったら.

本書の215〜216ページにかけて,バーンリー警部が事件のポイントを時系列でまとめているシーンがある.『樽』を読んでいて迷子になりそうになったら,都度ここに帰ってくるとよい.

『樽』を読み進めるうえで,何度も見返したい記述でもあるため,バーンリー警部のメモを抜粋しておきます.推理の参考にもなるので,どうぞ.

メモ1: バーンリー警部がまとめている事件の要点・時系列
  • 3月27日(土)ボワラック邸でパーティー.ボワラック夫人が姿を消す
  • 3月28日(日)フェリクスがロンドンへ戻ったと思われる日.
  • 3月29日(月)フェリクスがデュピエール商会へ彫像の注文書を書く.
  • 3月30日(火)デュピエール商会が注文書を受け取り,彫像をル アーヴル — サウサンプトン経由で発送.
  • 3月31日(水)ウォータールー駅にてフェリクスと思われる人物が樽を受け取る.
  • 4月1日(木)樽がチャリング クロス駅から発送.パリの北駅にて受領.そのままカルディネ通り貨物駅に持ち込まれ,ロンドン向け発送(ルーアン — テムズ川経由).
  • 4月2日(金)フェリクス,ル ゴーティエの手紙を受け取る.
  • 4月3日(土)フェリクス,ル ゴーティエの葉書を受け取る.
  • 4月5日(月)フェリクス,埠頭で樽を受領.
メモ2: 時間枠に収まらない項目(同じくバーンリーまとめ)
  1. フェリクスが提出した,ル ゴーティエ発信とされるタイプ書きの手紙(富くじ,樽を使った試み,賭け)及び樽の中から出てきたタイプ書きのメモ(借用金50ポンド返却)に使われたタイプライターと便箋は同一.
  2. フェリクスからデュピエール商会へ宛てた彫像の注文に↑と同じ便箋が用いられ,出処が同じ出ることを暗示している.

SourceNotes

  • 『樽』F・W・クロフツ著,霧島義明訳

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