「写真とは何か?」「写真には何ができるのか?」この問いに答えを出そうとすることが『写真論』であると考えてよいと思う.
自分は写真を好きになって,まだ1年くらい.これから写真論を学ぶうえで読みたい名著たちを10冊,備忘録として記録しておきます.
ピックアップしたこの10冊,情報の出所は『ファットフォト』という雑誌の2014年1-2月号.たまたま,古本屋さんを巡っていて出会った古い雑誌.
古書店に行く.すると,普通の書店では絶対に無い「本との巡り合い」がある.そんなことに気づけた一日.
- 『明るい部屋』ロラン・バルト著,みすず書房 1985年
- 『なぜ,植物図鑑か』中平卓馬著,晶文社 1973年
- 『複製技術時代の芸術』ヴァルター・ベンヤミン著,晶文社 1970年
- 『写真論』スーザン・ソンタグ著,晶文社 1979年
- 『話す写真』畠山直哉著,小学館 2010年
- 『写真の文学』塚本昌則著,平凡社 2013年
- 『まなざしのエクササイズ』ロズウェル・アンジュ著,フィルムアート社 2013年
- 『現代写真論』シャートット・コットン著,晶文社 2010年
- 『時の宙づり —— 生・写真・死』ジェフリー・バッチェン著,IZU PHOTO MUSIEUM 2010年
- 『螺旋海岸』志賀理江子著,赤々舎 2012年
『明るい部屋』
母親の写真を通して考察し,プンクトゥムとストディウムという言葉で鮮やかに論じている.
『なぜ,植物図鑑か』
1970年前後の写真表現を根本的に見直した時代を代表する写真論.写真のあるべき姿を提示.
『複製技術時代の芸術』
20世紀以降のメディアの在り方や写真芸術の現在と未来を考察する名著の中の名著.
『写真論』
写真の出現によって経験が歪められているというネガティブな視点から論じた写真論の名著.
『話す写真』
自身の経験や作品,写真の歴史をふまえ,ロジカルな写真論をわかりやすく語った著書.
『写真の文学』
写真に関わりのある文学者や作品についてさまざまな角度から考察.ブックガイド付き.
『まなざしのエクササイズ』
歴史的なポートレートを多数掲載しながら,撮影のための批評と実践が記された実用的な本.
『現代写真論』
ポストモダン以降の世界の写真表現の流れを的確に押さえ,図版も多数で勉強になる1冊.
『時の宙づり —— 生・写真・死』
無名の人たちが撮った写真が現代写真の考察に面白い役割を果たすという新たな視点の著書.
『螺旋海岸』
東日本大震災を経験しながら「螺旋海岸」の制作過程.生々しい一面の記録.
〈了〉
SourceNotes
- ファットフォト 1-2月号