葛飾北斎や歌川国芳など,浮世絵師の作品を眺めるのが楽しい.長い時間,人の評価の目に晒されて残り続けたモノは,やはり美しく心地よい.
『#便利屋雑感』は,1,000文字前後の短い雑記です.5分くらいでサクッと読めます.今回は,葛飾北斎はじめ浮世絵が(写真の)構図の勉強になるというお話.おすすめの書籍『北斎 富嶽三十六景』やKindle Unlimitedの活用方法についても紹介します.
葛飾北斎と浮世絵に学ぶ写真の構図
富嶽三十六景を見ながら「主題」「副題」という考え方を学ぶ.
写真を撮るときに「主題」と「副題」を意識すると構図がつくりやすいと,誰かが教えてくれた(比較的いろんな人が言っていたと思う).北斎の富嶽三十六景を見る際も「主題はどれだろう??副題はなにかなぁ??」と考えながら鑑賞すると楽しい.
何を描き,何を捨てるのか.
富嶽三十六景には,比較的シンプルな作品も多い.きっと北斎の目には,もっと多くのモノ(オブジェクト)が写っていたと思う.その中から「コレは描こう,コレは描くまい」と,考えながら作品を作り込んでいったことが予測できる.北斎が何を残し,何を捨てたのか.これは写真を撮るとき,どこまでぼかしてどこまでピントを合わせるか??を,考える時とても参考になる(絞りと被写界深度を決めるときの話).
デジタルを活用し,効率よく鑑賞する.
富嶽三十六景.
1700〜1800年頃にかけて作られた浮世絵版画の名作たちは,現代の私達に様々な問いと気付きを与えてくれる.個人的におすすめなのは,岩波文庫の『北斎 富嶽三十六景(日野原 健司編)』で作品の背景について学びながら,Kindle UnlimitedをつかってiPadやMacの画面で作品を表示する方法.
岩波文庫の『北斎 富嶽三十六景』はコンパクトで読みやすい書籍だが,せっかくカラーで見れる作品が見開きで分割されているのが欠点.なので,この問題をカバーするためにKindle Unlimitedを使う.Kindle Unlimitedには無料で(もちろんKindle Unlimited契約の月額はかかります)北斎の作品が沢山出ているので,富嶽三十六景関連の本を検索してみるとよいだろう.僕は『富嶽三十六景を葛飾北斎と歩く』で,作品を見ながら岩波文庫の解説文を読むような使い方をしている.
北斎のように,大胆で人の感情を揺さぶるような構図の作品.そんな写真を,人生で1枚くらいは撮りたいと感じる.
〈了〉