『最高の体調』を読んで感じた睡眠の重要性について / #日々読書備忘録 #本買う馬鹿

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『最高の体調』という本を読んでいます.著者は鈴木祐さんです.

『最高の体調』は,まだ読書中なのですが,第2章「炎症と不安」を読んで「睡眠時間ってやっぱり大事だなぁ…」と再認識したので,そのことについて簡単にまとめておこうと思います.

(著者は鈴木祐さんは,最近『ヤバい集中力』という本も出版されています.ジュンク堂書店でも沢山積んであるので,売れている書籍のようです)

第2章「炎症と不安」で紹介されている,睡眠時間に関する研究結果やデータ

  • 2010年の国民生活調査によると,日本人の平均睡眠時間は7時間14分
  • 1960年と比較すると,1時間ほど短くなっている
  • これはアメリカなどを含む先進国では最低水準にあり,韓国に次いで2番めに少ない
  • 睡眠時間が7〜9時間から外れると,体内の炎症マーカーとう呼ばれるものが増加し体調に悪影響がでる
  • 夜中に何度も目覚める人も炎症マーカーが増加する

本の内容とは順番が前後するのですが,長寿で健康な人は体内の炎症レベルが極端に低いことが分かっています.

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炎症と聞くと怪我などの外傷を連想してしまいますが,人間は体内でも炎症を起こします.体の中で慢性的な炎症状態が続くと健康を害してしまい,結果的にQOLが低下したり,寿命そのものが短くなってしまうのです.

現代人を取り巻く環境は,この体内炎症を起こしやすい状態にあります.具体的には,睡眠不足や食生活による内臓脂肪の増加などです.

7時間以下の睡眠は,体に悪影響を及ぼします.(※慢性的な体内炎症を招きやすい)これが『最高の体調』を読みながら,「睡眠時間ってやっぱり大事だなぁ…」と再認識した理由です.

『最高の体調』の第2章では,炎症という概念やそれに関する研究が紹介されています.この炎症に関する情報と,それを回避するためのケーススタディは非常に勉強になります.

この章だけでも,1,480円の価値はあると思います.

狩猟採集民と現代人の睡眠における違いは,その『質』にも

さて,最後にもう一つだけ興味深いデータを紹介しておきます.

『最高の体調』の第2章では,現代人と狩猟採集民の睡眠を比較した研究も紹介されています.こう聞くと「狩猟採集民は,きっと平均10時間くらい眠っているんだろうなぁ」と思うのですが,そんな事はありません.

ナミビアやタンザニアなどで暮らす,狩猟採集民94名を対象に行なった研究によると,対象になった人々の平均睡眠時間は,6.9〜8.5時間程度だということが分かりました.

狩猟採集して暮らしている人々も,現代人もそんなに睡眠時間には差が無いのです.しかし,狩猟採集民は現代人と比べると様々面で健康です.(脳梗塞や動脈硬化になることが無く,癌の発症率もほとんどゼロ)

狩猟採集民と現代人の睡眠における違いは,その『質』にありました.

活動量計などを使って睡眠の質を調べた結果,ナミビアやタンザニアで暮らす狩猟採集民の人々は,夜中に目覚めることは一度もなく,一晩寝ると体力は完全に回復しています.(寝起きにベッドでダラダラする事例も一切ありませんでした)

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睡眠の質を確保できている要因は,超規則的な生活リズムにあるようです.

研究対象となった人々は,夕暮れから3時間後には必ず眠っており,朝の7時には目を覚ます生活を繰り返しています.人々が使う言語には「不眠」や「睡眠不足」といった概念を表す言葉もありません

ということで,睡眠時間をどうしも確保できない場合は,睡眠の質も向上させるように寝具などを周辺環境を見直してみると良いかもしれません.

以上,『最高の体調』という本を読んで感じた睡眠の重要性の備忘録でした.

SourceNotes

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