先日購入したニコンのレンズ『AI Nikkor 50mm f/1.2S』のファーストインプレッションです.カメラはNikon Dfを使って撮影しています.
『AI Nikkor 50mm f/1.2S』は,1981年に製造がはじまったフィルムカメラ時代からレンズで,驚くことに2020年まで新品が作られていたらしい.
インターネットで調べた情報ではあるが,シリアルナンバーの「250001 – 391172」は1981〜2005年,「400001 – 427017」は2006〜2020年に製造された個体であることが分かる(参照:Nikon Lenses).
手元にあるものは32万番台なので2000年前後に誕生したレンズだと推測できる.それでも20数年前に製造されたレンズなので,「オールドレンズ」と呼んで差し支えないだろう.
レンズを購入したのが午後7時くらいだったので,ファーストインプレッションは夜スナップ写真を撮りながら感じた印象となる.カメラは最近愛用のNikon Df.
『AI Nikkor 50mm f/1.2S』とDf,ファーストインプレッション
せっかくの明るいレンズなので,購入初日はすべて開放f/1.2で撮影.オールドレンズらしく光は滲み,周辺の像は流れ,点光源からはサジタルコマフレアがでている.
現代は収差が少なく逆光耐性にもすぐれた高性能レンズが増えてきているので,このようなレンズも写真の味,愉しみ方のひとつとして許容できるのではないだろうか.
光学的な光の滲み,像の流れ,周辺部と中央の描写の差などは,進化したスマホやカメラアプリのフィルターをもってしても再現が難しい.
f/1.2で撮ればピントもシビアなのでピンぼけも多いが,これはこれで雰囲気が出ているようにも感じる.
スナップ用としては許容範囲の約360gのレンズ
『AI Nikkor 50mm f/1.2S』の重量は約360g,今回セットで使っているDfと合わせると総重量は約1,130g(バッテリー,SDカード込み).スナップ用に持ち歩くセットとしてはやや過重量ではある.
同じFマウント,ニコン純正の50mm『AF-S NIKKOR 50mm F1.8G(約190g)』と比べると倍くらいの重さだが,個人的には許容範囲としている.
1キロちょっとの重さであれば,ハンドストラップに付け替えて片手持ちで歩き続けても,1〜2時間くらいはスナップ撮影を続けることができる.
狙っている人は,状態のよい個体に出会ったら迷わず買っても問題ないだろう
『AI Nikkor 50mm f/1.2S』は,Noct NIKKORを除けばニッコールレンズ中最高の明るさF1.2を持つ標準画角のレンズ.
Noctの値段が高騰をしていることを考えると,ニコン純正のFマウントで,マニュアルフォーカスで,明るいレンズ,という条件で探していると行き着く先はこのレンズになると思う.
もちろん新品は流通しておらず,最近はAI-Sタイプのオールドニッコール人気も高まっていることから,状態がよい個体はすぐに売れてしまう.『AI Nikkor 50mm f/1.2S』の購入を検討中であれば,「美品」「良品」とされるランクのレンズに出会えたときは迷わず購入しても問題ないだろう.
<了>(【夜スナップ 後編】へ続く)