NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5.レンジファインダー時代のニコン機用に製造された,隠れた銘レンズを購入した話です.
NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5の,描写性能や特徴,2021年時点の入手難易度や購入価格の相場も紹介します.
『NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5』というレンズを,マップカメラで購入しました.このレンズ,タイトルにあるとおりレンジファインダー機をまだニコンが製造していた時代のレンズで,発売されたのは1954年.今から60年以上も前につくられていたレンズということになる.
そんな昔のレンズにもかかわらず,2021年の現代でも比較的安価に「良品」クラスのレンズが入手できるのも本レンズの特徴.マップカメラでは,良品の『NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5』が,32,800円で入手できました.
ちなみにコンディションは「外観: スレキズ,塗装の劣化あり」「機能面: 動作良好」「光学系: 前玉/後玉にスレありますが,全体的に綺麗」といった状態で,付属品は社外品のレンズキャップのみが付いていました.純正フード付きがベストでしたが,フィルター経が52mmなので,とりあえずはFマウントレンズの純正フードでも装着して運用しようと考えています.
このように,比較的良い状態のレンズを今でも良心的な価格で購入できるのは,ユーザーとしても嬉しい.マップカメラで購入するにあたって,メルカリやヤフオクもリサーチしましたが,オークションやフリマ系の取引であれば,2万円台から状態の良い個体が買えそうでした.これらの取引に慣れている人であれば,「もうちょっと安価に手に入れることができそうだな」と感じました.
【NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5】レンジファインダー時代に製造された,隠れた銘レンズを購入した理由.
NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5は,ニコン公式サイトの『ニッコール千夜一夜物語』でも紹介されているレンズ.「ダンカン氏や三木淳氏の逸話で有名なニッコールP・C 8.5cm F2の陰に隠れた、もう1つの銘レンズ」として紹介されている.
第四十五夜は、引き続きニコンS用ニッコールのお話を致します。今夜はダンカン氏や三木淳氏の逸話で有名なニッコールP・C 8.5cm F2の陰に隠れた、もう1つの銘レンズを御紹介します。当時、ニッコールP・C 10.5cm F2.5はどういう評価を受けていたのでしょうか?はたして、どんな写りをするのでしょう?現在の市場では、どう評価されているのでしょうか?
ニッコール千夜一夜物語: 第四十五夜 NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5
今夜は、ニッコールP・C 10.5cm F2.5の秘密を解き明かします。
そもそも,105mmというレンズに食指が動きはじめたきっかけは,最近ニコンZユーザーの間では話題になっている『NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S』の発売せいで,「中望遠でスナップを撮影したら楽しそう」と考えるようになったから.
最新のZ MC 105mmは,想定以上の人気で品薄状態,ネットや実店舗ではほぼ売り切れとなっている.また,スナップ撮影用途においてはサイズの大きいレンズは使いにくいので,まずはニッコール105mmレンズのルーツとも言える,NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5を使ってみようということになりました.
NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5のレンズ性能,描写の特徴
ニッコール P・C 10.5cm F2.5は,写真家の土門拳をはじめ,多くの巨匠やプロからアマチュアにまで幅広く愛用された銘玉です.当時たくさんの数が製造されたため,同じく銘玉として有名な『ニッコールP・C 8.5cm F2』よりも安価に状態の良好な個体が手に入ります.
NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5は,典型的なゾナータイプのレンズ.3群5枚で構成されていて,独特の軟調な描写と,綺麗な後ボケが特徴とされています.もちろん60年以上前の古いレンズなので,収差がありフレアも出やすい設計です,しかしそこは,オールドレンズを使う楽しみなので,このレンズでのスナップがとても待ち遠しいところ.
ニコン公式サイトで紹介されている作例のリンクを貼っておくので,描写性能や特徴が気になる場合は,ぜひご覧ください.
ニコンサイトでは,2枚の作例がモノクロで紹介されています.設計上はコントラストも適度で階調豊かに描写をしてくれるようなので,ミラーレスカメラでのカラー撮影も幸せな結果を(オールドレンズ独特のエモーショナルな写真が撮れそう)もたらしてくれると予想しています.
ニッコール千夜一夜物語でも「ニッコールP・C 10.5cm F2.5は、風景写真はもとより、ポートレートにも草花にも最適なレンズであるといえるでしょう。」という言葉で,本レンズのまとめています.
作例から分かるとおり、ニッコールP・C 10.5cm F2.5は、風景写真はもとより、ポートレートにも草花にも最適なレンズであるといえるでしょう。
ニッコール千夜一夜物語: 第四十五夜 NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5
同じレンジファインダー機のレンズで,W Nikkor 3.5cm F2.5というレンズを持っていますが,こちらのレンズもオールドレンズらしい描写をします.「こんな良い写りを,105mmの画角でも体験できるとさぞ快適だろうな」と,すでにわくわくしています.
買ったレンズの撮影を心待ちする,こんな時間も写真を趣味にしていることの醍醐味.
隠れた銘レンズを購入した話のまとめ,到着後の撮影と写真を見るのが楽しみ.
最近知ったことですが,レンズの好みには「広角好み」と「望遠好み」の2タイプあるそうです.
広角タイプの人は「35mm,85mm,135mm」のレンズを好む傾向にあり,望遠タイプは「50mm,105mm,180mm」のレンズを知らずしらずのうちに使ってしまう.僕の場合,50mmを常用スナップレンズとして固定しているので,105mmの画角にハマる可能性があります.
現在所有しているレンズ及び焦点距離は
- 宮崎光学の50mm
- NIKKOR Zの50mm
- NIKKOR Fマウントの85mm
- NIKKOR Fマウントの135mm
といった構成で,ちょうど105mmが抜けている状態.NIKKOR-P・C 10.5cm F2.5をマップカメラで購入したのが,7月14日の午前.マップカメラさんは配送も素早く丁寧なので,16日の午後くらいには新しいレンズが手元に届くと期待しています.
105mmの画角が自分の嗜好にあってしまうと,冒頭に書いた『NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S』も欲しくなってしまうのでなんとも悩ましいですが,レンズ道楽と考えつつ楽しみながら生きていこうと思います.
<了>