『ミステリと言う勿れ』,「面白いよー」とおすすめされたので全巻購入して読んでみました.『BASARA』『7 SEEDS』などを描いた田村由美さんの新作で,2020年9月中旬時点で7巻まで発売されています.『BASARA』『7 SEEDS』は未読ですので,悪しからず.
『ミステリと言う勿れ』.マルクスの『自助論』やアシモフの『黒後家蜘蛛の会』も登場する,ミステリと説法と雑学を上手くかけ合わせたような感覚の漫画
週末使って最新刊まで読了.ミステリー小説や探偵系の漫画(金田一少年や名探偵コナン)が好きなので,最後まで楽しく読むことができました.(7巻以降も続刊しています.ちょうど7巻がキリが良いところで終わるので,コミック派の方は今がチャンス)
『ミステリと言う勿れ』というタイトルどおり,コテコテのミステリー漫画というより,主人公の雑学に「ほぉ〜」と感心したり,登場人物の言葉に時折考えさせられたり,「ミステリ × 説法 × 雑学」を上手くミックスしたような漫画.
溺れた時は手を上げちゃだめなんですよ
引用 : 『ミステリと言う勿れ』第1巻 174Pより ※科学的な事実かどうかは弊サイトでは検証していません.
って話があって
人は水の中にいると
身体の2%だけ水の上に出るんだそうです
つまり手を上げてると
その手が2%になっちゃって
顔が水の上に出ないです
だから
2%に顔がくるように浮くのが
溺れないための秘訣だそうです
小説の引用などもちょこちょこ登場し,マルクスの『自省録』やアシモフの『黒後家蜘蛛の会』などが,話の合間に登場します.これらの本が好きな人にとっては,その辺りも楽しめるポイントになっています.
田村由美さんの絵のタッチが好きで,ミステリとかサスペンス系の話に抵抗がない人は,とりあえず1巻だけでも手にとってみてはいかがだろうか.
「言う勿れ(いうなかれ)」は,「(禁止の意を表す)言ってはいけない」という意味.
『ミステリと言う勿れ』の「言う勿れ(いうなかれ)」は,「(禁止の意を表す)言ってはいけない」という意味.なので,タイトルを訳すと「ミステリと言ってはいけない」みたいなニュアンスになります.
確かに主軸はミステリ.しかし,ストーリーごとに社会問題となるようなテーマも頻繁に扱われています.単にミステリとしてトリックや犯人を暴いたりするだけでなく,それらのテーマについて自分なりに考えてみるのも本作品の楽しみ方の一つかもしれません.
〈了〉