ニコン NIKKOR Z 26mm f/2.8 ストリートスナップ【2023年5月7日】#ミステリー小説 から学ぶストリートスナップ

2023年5月のストリートスナップ.

この頃は,横溝正史の金田一耕助シリーズの傑作『獄門島(ごくもんとう)』を読んでいて,和製ミステリーを探し古書店などを巡っていた.

ミステリー好きとしては,横溝正史,江戸川乱歩,松本清張の代表作は早めに読んでおきたいが,『江戸川乱歩傑作選』『点と線』などは,今も積ん読本として本棚に並んでいる.

多少強引ではあるが,ミステリー小説から写真のヒントを探してみよう.

金田一耕助の事件現場で働く直感と,ストリートスナップで写真を撮るときの感覚には共通するものがあるのかもしれない.

「横溝正史」名作から「ストリートスナップ」のヒントを学ぶ

横溝正史の『獄門島』は,日本のミステリー小説の中でも屈指の傑作とされている.

「日本ミステリー おすすめ」で記事を探せば,『獄門島』は今でも上位にランクインしている.1940年代後半に書かれた小説が,インターネット時代になってもランキングに入っているのは凄いことだと思う.

『獄門島』は,金田一耕助が孤島で起こる連続殺人事件の解決に挑む物語.場の空気感,人々の心情,潜在的な緊張感が丁寧に描写されている.作品を読むと,細部まで気を配る横溝正史の筆致に驚かされる.こういった細部への気配りは,ストリートスナップにおいても非常に重要だ.構図に写り込む人の流れ,刻々と変化する光と影,その瞬間瞬間の「空気感」を捉えることが,ストリートスナップをよい写真へと昇華させる.

ISO 200,f/4.0,1/100秒,NIKKOR Z 26mm f/2.8,Nikon Z6

金田一耕助が事件現場で「何かおかしい」と感じ取る直感と,ストリートスナップで「シャッターを切ろう」とひらめく感覚には共通するものあるような気がする.

金田一耕助は,事件の手がかりや犯人を示すヒントを見つけるために事件現場を捜査する.その時にはきっと,少しの違和感も見逃さないよう感覚を研ぎ澄ましているだろう.カメラを携えているときも,「何かよい被写体はないか」と感覚を働かせながら街を歩く.

小説の中に潜む「謎」のように,何気ない日常にも実は多くの「美」が潜んでいる.それをカメラで切り取る瞬間は,探偵が小説の中でその答えを求める瞬間に似た,心地よい高揚感が伴う.

<了>

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