『コトラーのマーケティング5.0』の中で紹介されていた映画『プラットフォーム』が面白かったという話.

書籍『コトラーのマーケティング5.0』が発売された.副題は「デジタルテクノロジー時代の革新的戦略」.製品中心のマーケティング(マーケティング1.0)に始まり,テクノロジーを用いたマーケティング理論までが前著のマーケティング4.0.今回の『マーケティング5.0』は,4.0と3.0の理論を統合した新時代のマーケティング理論となっている.

  • 製品中心のマーケティング:マーケティング1.0
  • 顧客中心のマーケティング:マーケティング2.0
  • 人間中心のマーケティング:マーケティング3.0
  • テクノロジーを用いたマーケティング:マーケティング4.0

アルファ世代,Z世代と呼ばれる人々に対してどう効果的にマーケティングするか?といったことが紹介されているので,コトラーの最新のマーケティング理論を学びたい人にはおすすめの書籍だと感じた.

「第3章 富の二極化 社会のために包括性とサステナビリティを生み出す」の冒頭で,2019年に公開された映画『プラットフォーム』が紹介されている.この記事を書いている時点(2022年11月)ではNetflixでも観ることができるので,興味がある人はチャレンジしてみてほしい.(あらすじは書籍の中で紹介されているので,そちらを引いておきます)

映画「プラットフォーム」<2019年製作>は,何百階もあらう高い塔の刑務所を舞台にしたディストピアスリラーだ.それぞれの階にランダムにペアを組まされた二人の囚人がいる.彼らの食事は毎日,多種多様なグルメ食品を載せて最上階から一番下の階まで降りるプラットリー<巨大な台>によって提供される.上の階の囚人は好きなだけ食べることができ,残りが下の階に運ばれる.上の階の囚人たちの食い意地と身勝手さのせいで,ほとんどの囚人が残り物をかき集めて食べている.ある階を過ぎると食べ物はもう残っておらず,下の階の囚人たちは飢えることになる.

『コトラーのマーケティング5.0』70ページより

チャレンジしてみてほしいと書いたのは,観る人によってはきつい描写が盛りだくさんだから.カニバリズム描写は映画の比較的早い段階で出てくるし,(Netflix基準での)暴力的表現は何度も何度も登場する.ワンちゃんを飼っている人にもあまりおすすめはしない(僕もチワワと暮らしているが,該当するシーンが間接的な描かれ方をしていたのでなんとか観ることができた).

しかし,この映画は評論家たちから絶賛されている.自分自身も最後まで観て,「面白かった,勉強になった,もう一度観たい」と感じている.それは恐らくこの映画が,現代社会の抱える「社会の激しい二極化」「直面するサスティナビリティの課題」「裕福さと貧しさの不均衡」といった,複数の問題に疑問を投げかけているからだろう.

<了>

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