『ファウンデーション/銀河帝国の興亡』から読みとる,(1950年代当時の)電話の未来予想.#読書備忘録

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『銀河帝国の興亡2 怒濤編』が12月に発売されたので,アシモフのファウンデーションシリーズを読み返しつつ,登場人物をまとめている.やはり50年以上も世界中で愛されているSF作品の古典は,今読んでも面白い.

そんな中,『ファウンデーション/銀河帝国の興亡1』の中からある一文が目にとまった(注:ハヤカワSFと創元社SFではタイトルが異なる).

通信技術(電話)の世界観

本作はiPhone(スマホ)が誕生するよりずいぶん昔に描かれた物語,作中には『ヴィジフォン』と呼ばれる公衆電話が登場する.以下のようなワンシーンが第1巻の第3部に記述されている.

テルミヌスに到着すると,宙港の人混みを縫うように進み,公衆ヴィジフォンから視聴者に連絡を入れる.
「ジャン スマイトと申します.今日の午後,市長と約束があるのですが」
ヴィジフォンに出た若い女は,愛想がないながらもテキパキとした声でべつ回線とすばやく会話をかわし,それから機械的な声で冷やかに告げた.
「ハーディン市長は三十分後にお会いになります」
そしてスクリーンが暗くなった.

創元社SF文庫版143pより引用

恐らく1950年代では,手のひらサイズのパソコンをほとんどの人類が所持し,それからインターネットという通信網をとおして,誰とでも簡単に連絡をとれるようになる世界は想像できなかったのだろう.

過去のSF作品を読むとこうした部分から,当時の未来観を伺い知ることができて面白い.

<了>

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