「哀惜」と「愛惜」, #アジェのパリ【新装版】大島洋著を読みながら.

Photo : SMATU.net

アジェのパリ【新装版】大島洋著を読んでいる.
表紙(裏)にある書籍解説に以下のようなことが書かれていて,哀惜という言葉を知った.

ウジェーヌ・アジェが写真を撮っていた時から,百年が過ぎている.アジェの撮影した厖大なパリの写真は,「失われゆく都市への哀惜」というような語られ方をされることが多い.しかし,実のところはどうなのだろう.ここに一人の写真家が決然と,アジェの写真の中へ入っていく.

アジェのパリ【新装版】

「哀惜」と同じ音で「愛惜」という言葉もある.

哀惜は,(人の死などを)悲しみ,惜しむこと.
愛惜は,あるものがとても気に入って心惹かれ,大切にすること.

「哀惜」は人の死などについて言い,「愛惜」はものなどについて言う.
微妙な意味合いの違い,表現の色合いの差異がこのふたつの言葉にはあると感じた.

アジェのパリ【新装版】には,アジェの撮ったパリの街並みの図版も多く添えられている.
視覚に心地よいていどに刺激しながら,哀惜という言葉の意味を実際に感じている.

〈了〉

アジェのパリ【新装版】

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