「Mac を手放す前に何をすればよいのだろう」という悩みを解決します.
Mac はデータを正しく消去してから下取り,売却,譲渡(誰かにあげる)しましょう.やるべきことは7つ.Appleのサイトにも詳しく紹介されています.しかし,画像が少なく文字情報だけで作業を進めていくと少々に不安感じます.この記事では画像つきで紹介しているので,Appleの “Mac を売却、譲渡、下取りに出す前にやっておくべきこと” も見ながら作業を進めるとよいでしょう.
Mac 下取り,売却,譲渡 する前にやること.
Mac を手放す前にやるべきことは7つ.
中にはスキップできる作業もあります.ただ,Mac に入っているデータが大きいとバックアップやデータ移行に時間がかかります.Mac のデータを消去するときは,ある程度の時間を確保しておきしましょう.
- バックアップをとる
- iTunesからサインアウト(macOS Mojave 以前であれば)
- iCloudからサインアウト
- iMessageからサインアウト
- NVRAM をリセット
- Bluetoothデバイスとの接続を解除
- データ消去して macOS を再インストール
Macのバックアップをとる
Mac は,バックアップしてから手放すことが推奨されています.Macのバックアップ方法は,以下の2つ.それぞれ↓リンクからAppleの記事へ移動します.バックアップの際は,手順を見ながらバックアップを完了させてください.
バックアップ推奨と書いておきながら,僕はこの数年バックアップをせずに新しいMacを使っています.理由は,データをすべてクラウドに保管しているから.
バックアップからの復元もせず,古いMacからのデータ移行もせず,新しいMacを使い始める.こうすると,Mac を買い換える度にデータの断捨離ができます.Macをリプレース(買い替え)するときは,データを整理するようにしています.たまにはデータの断捨離も必要.
iTunesからサインアウトする
macOS Mojave (モハベ / モハーヴェ)より古い OS を使っている人は,iTunes からサインアウトする必要があります.iTunesを開いたら「アカウント」>「認証」>「このコンピューターの認証を解除」の順番で進みます.Apple IDとパスワードを入力して「認証を解除」をクリックし, iTunes からサインアウトしてください.
解除されたかは,再度「このコンピューターの認証を解除」で確認できます.iTunes の認証や認証解除は,こちらの記事で詳しく紹介されています.
macOS Mojave は2017年にリリースされた OS.3年位 OS をアップデートしていない人は,これ以前の OS を使っている可能性が高いです.OS は,Appleメニューから「この Mac について」で簡単に確認できます.
Appleメニューとは
Appleメニューとは,マウスを画面左上(厳密にいうと画面上ならどこでもOK)に動かすとでてくる”リンゴマークのアイコン”のこと.ここをクリックすると,システムに関する設定にアクセスできる.
iCloudからサインアウトする
Appleメニューから「システム環境設定」>「Apple ID」の順でクリック.左のサイドバーから「概要」を選択し「サインアウト」をクリックします.これで iCloud からのサインアウトが完了.MacでiCloudからサインアウトしても,iCloud上のデータは削除されません.ご安心しを.
iCloud からサインアウトするとき,データのコピーを Mac に残すかどうか確認するメッセージが表示されます.これから Mac を消去するので「コピーを残す」をクリックします.
↑この後,「Macを探す」をオフにする確認メッセージもでてきます.Apple ID のパスワードを入力して「Macを探す」を無効にします.その後,下の画像の表示になれば無事 iCloud からサインアウトできたことになります.
iMessageからサインアウトする
iMessageからもサインアウトします.(iMessageを利用していない人は,この作業はスキップしてOK)アプリを起動したら,画面左上にある「メッセージ」>「環境設定」>「iMessageのタブ」で進み「サインアウト」をクリックします.
Adobe Creative Cloud(アドビクリエイティブクラウド)契約者は認証解除する
クリエイティブクラウドを利用していれば,認証解除(サインアウト)もお忘れなく.詳しく知りたい人のために公式リンクを載せておきます.参照: アドビアプリケーションへのログインとライセンス認証
- Mac をインターネットに接続
- ライセンス認証を解除するアプリケーションを開く
- 上部のメニューの「ヘルプ」から,「ログアウト」または「ライセンスの認証解除」を選択
- 「ライセンスの認証解除」を選択した場合,表示にしたがっていずれかのオプションを選択
- ライセンス認証の解除またはライセンス認証の停止: ライセンス認証は一時的に解除されますが,ライセンス情報はコンピューターに保持される
- ライセンス認証を完全に解除:ライセンス情報がコンピューターから削除される.再度ライセンス認証を行うには、シリアル番号を入力する必要がある
その他クラウドサービスにログインしている場合は,そちらもログアウトしておくと安心です.「Dropbox」「Evernote」などは必ずログアウトして売却するようにしています.」
NVRAM をリセット
NVRAM は「不揮発性ランダムアクセスメモリ」の略称で,所定の設定情報を記憶しておく小容量のメモリこと.NVRAM に記憶される設定情報には「音量」「画面解像度」「選択されている起動ディスク」「時間帯」「最近起きたカーネルパニックの情報」などが該当します.これも以下の手順でリセットしておきます.
Mac をシステム終了してから,電源を入れ,すぐに「option」「command」「P」「R」の 4 つのキーを同時に押します.そのままキーから手を離さず,20 秒ほど押し続けたあとにキーを放します.メモリからユーザー設定が消去され,変更されていた可能性がある一部のセキュリティ機能が復元されます.
この手順,2年前の買い替え時には Apple のサイトには書かれていませんでした.この2年の間に追加された手順です.NVRAM のリセット後,情報が正常にリセットされたか分かりづらく.個人的には一番手こずった作業でした.
Apple のサイトの別のページで詳しく紹介されているので,弊ブログを読んでも “分からん” という人は公式サイトをチェックしてください.参照: Mac で NVRAM または PRAM をリセットする
Bluetooth デバイスと接続解除
Mac に Bluetooth 製品を接続してない場合は,この手順はスキップしてOK.
Mac に Bluetooth 製品を接続していて,古い Mac とそれらの Bluetooth 製品を今後接続する予定がない場合は,接続を解除しておきましょう.接続を解除しておくと,Mac と それらの Bluetooth 製品が持ち主が変わった後に接続範囲内に入ったときの不要な干渉を防ぐことができます.家族やよく合う友人に Mac を譲るような場合は,この手順を実行しておくことを推奨します.
Bluetoothデバイスを解除するには,画面左上のAppleメニュー から「システム環境設定」>「Bluetooth」をクリックします.ペアリング済のデバイスが表示されるので,解除したいデバイスの上にマウスをのせます.するとデバイス名の右側に「✗」のアイコンが表示されるので,そこをクリックしてください.確認が表示されるので,「削除」をクリックすればペアリング解除されます.
さて,ここまでくればあとは Mac のデータを消去して OS をインストールするだけ.残り少し.
データを消去して macOS を再インストールする
ここからは,Mac からデータを消去して macOS をインストールする方法.基本的にこれまと同じで,画像の手順にそって作業を進めていくだけ.Mac を手放す際は,ハードドライブからデータを消去して macOS を再インストールします.この作業を終えると,Mac が工場出荷時の状態になります.いわゆる買ったときの状態.
- macOS 復旧から起動
- ディスクユーティリティを使ってディスクを消去
- 「Macを探す」から解除
- macOS をディスクに再インストール
ここから紹介する方法は,Intel 搭載モデルの Mac を消去する方法です.Intel プロセッサ搭載のMac以外(例えば 2020 M1 Macなど)には適用されません.ご注意ください.Apple シリコン搭載の Mac コンピュータ については,こちらのページをご確認ください.
macOS 復旧から起動
Mac の電源を入れてすぐに「command (⌘) + R」キーを長押しします(Apple ロゴやその他の画像が表示されるまで押し続ける).ユーザー選択画面が表示される場合は,パスワードがわかるユーザを選択して「次へ」をクリック > パスワードを入力します.macOS 復旧のユーティリティウインドウが表示されます.
ディスクユーティリティを使ってディスクを消去
macOS 復旧のユーティリティウインドウが表示されたら「ディスクユーティリティ」を選択して「続ける」をクリック.ディスクユーティリティのサイドバーで「Macintosh HD」を選択,ウィンドウの上部に表示されている「消去」の項目をクリックします.
ポップアップウィンドウが表示されるので,名前は「Macintosh HD」のままにしておき,フォーマットは「APFS」または「Mac OS 拡張 (ジャーナリング)」のどちらかを選択します.
最後に「ボリュームグループを消去」をクリックします(”ボリュームグループを消去”が無い場合は「消去」をクリック).「ボリュームグループを消去」をクリックすると消去がスタート.500GBくらいのデータであれば,数分〜10分くらいで消去が完了します.
「Macを探す」から解除
Mac で「探す」が有効になっていると,消去の承認のために Apple ID の入力画面が表示されることがあります.ガイドにそって「Macを探す」を解除します.
データの消去が済んだら,画面左上の「ディスクユーティリティ」から「ディスクユーティリティを終了」を選んでメニューを閉じてください.
消去が終わった後サイドバーにほかの内蔵ボリュームが表示されている場合は,それを選択しツールバーのボリュームの削除 (+) ボタンをクリックして各ボリュームを削除してください.削除がすべて終わったら,ディスクユーティリティを終了しユーティリティウインドウに戻ります.
消去したばかりの「Macintosh HD」ボリュームや,外付けのボリューム,またはディスクイメージは削除する必要はありません.
macOS をディスクに再インストール
ディスクユーティリティを終了しユーティリティウインドウに戻ったら,「macOSを再インストール」を選択します.「続ける」>「同意する」>「インストール」の順にクリックして macOS をインストールしてください.(インストールは15〜30分くらいかかります)
インストールが終ると Mac が再起動して設定アシスタントが表示されます.「⌘ command」 +「 Q」キーを押して設定アシスタントを終了し「システム終了」をクリックしてください.これで新しい所有者が Mac を起動したとき,自分の情報で設定できるようになります.
macOSを再インストール時「復旧サーバに接続できませんでした」と表示されるときの対処方法
macOSを再インストールする時「復旧サーバに接続できませんでした」と表示されるのは,Wi-Fiの情報が削除されネットワークに接続できていないことが原因です.「復旧サーバに接続できませんでした」と表示された時は,Wi-Fiネットワークの接続を確認してください.
それでも解決しない場合は,こちらの記事に対処方法が詳しく紹介されていますので,参照にして対応してみて下さい.参照記事 : macosを再インストール時「復旧サーバに接続できませんでした」問題の解決方法
お疲れさまでした.
Appleユーザーにとって,Mac売却は数年に一回やってくる一大イベント.安心して Mac を売却したり,譲ったりするための大切な作業です.この記事は,”2020年12月時点の最新情報” をベースに Mac を下取り,売却,譲渡 する前にやることまとめています.
数年経っても,基本的な手順は変わりません.都度,Apple本家の情報と照らし合わせながら作業を進めてください.Apple公式サイトは画像が少ないため,弊ブログで情報を保管しつつ安全にMacを譲渡していただければ幸いです.
〈了〉