【マイクロニッコール 55mm f2.8】を購入.Micro NIKKORの歴史を少々 / #日々短文雑筆

Photo: iStock by Getty Images

マイクロニッコールの55mm f2.8を購入しました.

購入先は札幌東急百貨店7階にあるカメラコレクションさん.ちょうど札幌駅周辺をウロウロしている時に,このレンズと出会いました.多分,最近読んだオールドレンズ系の雑誌でNikonのおすすめレンズとして紹介されていたので,欲しい物リストに追加していたのだと思います.

購入価格は税込みで16,000円.買ったあとになってメルカリで相場を調べましたが12,000〜16,000円くらいで購入できるようです.(記事を書いている2020年1月時点)絞りやピントリングの状態も非常によいレンズだったので,即購入してしまいましたがとても満足しています.

出所 : SMATU.netにて撮影
購入した『マイクロニッコールの55mm f2.8』とレンズフィルター.
出所 : SMATU.netにて撮影
カメラショップで税込み16,000円で購入することができました.

Nikonのマクロレンズ『マイクロニッコール』(Nikonのマクロレンズは『マイクロニッコール』と呼ばれています)は始めてなので使い方には慣れていませんが,被写体にかなり近づいて撮影できるので色々な距離で撮影ができそうで楽しみです.

レンズを付け替えるために寄った紀伊國屋書店のスタバで,試しに何枚か撮影してみたので作例として載せておきます.今日はこのままマクロレンズをとおして見る世界を堪能してみようと思います.

出所 : SMATU.netにて撮影
出所 : SMATU.netにて撮影
出所 : SMATU.netにて撮影
出所 : SMATU.netにて撮影
出所 : SMATU.netにて撮影
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【マイクロニッコール 55mm f2.8】を購入.Micro NIKKORの歴史を少々

Photo: iStock by Getty Images

マイクロニッコールをせっかく買ったので,Micro NIKKORの歴史を少しまとめておきます.

最初に少し書きましたが,Nikonのマクロレンズは『Micro NIKKOR(マイクロニッコール)』と呼ばれています.なぜマイクロニッコールと呼ばれるようになったのか??は,Nikonの公式サイトに紹介されているので,ここから少し引用しておきます.

「マクロレンズ」は社会的に認知された近接撮影用レンズの一般名称です。では、「マイクロレンズ」はどうですか?学術的にはどちらが正しいのでしょうか?なぜ当時の開発者は近接撮影用レンズに「マイクロ」の冠を付けたのでしょうか?そこには厳密性を重んじた当時の開発者たちの思いがあったのです。マクロ写真の定義を古い写真用語辞典で引くと「原寸大以上の倍率で撮影する写真」と定義されています。したがって、マクロレンズは顕微鏡のような拡大光学系を指すのです。しかし、S型カメラの時代では、近接撮影用レンズは、せいぜい撮影倍率1/2倍から等倍までの縮小光学系です。したがって、マクロレンズ(=拡大倍率で撮影できる光学系)ではないのです。当社は他に立派な拡大光学系(顕微鏡等)を開発・販売していました。当時の開発者は、はっきとしかも正確に区別をしたかったのです。開発者たちは厳密な「定義」を良しとし、「売りやすさ」に背を向けました。

第二十五夜 Ai Micro Nikkor 55mm F2.8 (前編)より引用

初のマイクロニッコールは,Nikon S用に開発された5センチf3.5のレンズで1956年に販売されています.現代のレベルで見ても驚異的な解像力を誇る名玉だそうです.この名玉をベースに,一眼レフのFマウントに対応して1961年に発売されたのが『マイクロニッコール 5.5センチ f3.5』.レンズ構成は4群5枚で,クセノタール型が採用されています.

クセノターまたはクセノタールはギュンター・クレムトが設計したレンズ。F2.8からF3.5に留めると周辺までシャープなレンズができる。 前群ガウス型後群トポゴン型で、この形式の元祖はカール・ツァイスのビオメターだが、現在「クセノター型」と呼ぶことが多い。

ウィキペディアより引用

この初代の光学系をそのままに,自動絞り機構を搭載して1963年に発売されたのが『マイクロニッコールオート 55mm f3.5』.それから1970年に名称変更して『マイクロニッコール Pオート』,1973年にはマルチコート化されて『マイクロニッコール P・Cオート 55mm f3.5』へと進化していきました.1975年の『newマイクロニッコール 55mm f3.5』で筒型のデザインに変更され,1977年にはAi対応となりましたが,基本工学系は1961年の発売当時を継承しています.

こういった歴史のもと,本記事で紹介している『Ai マイクロニッコール 55mm f2.8』は,1980年に登場したレンズです.当時最新の光学設計とf3.5時代の膨大なノウハウによって,半絞り分の大口径化と高い描写性能を両立.レンズ構成は,5群6枚のガウス型が採用されています.

翌1981年には『Ai マイクロニッコール 55mm f2.8S (最後に「S」が付く)』になりましたが,このレンズは現在でも生産されているようで40年近くのロングセラーモデルとなっています.

今回購入したレンズは,恐らく「f2.8S」です.(2.8無印と2.8Sの見分け方がまだ分かりません…),これからもNikonオールドレンズを探していくので,次はぜひ初期に製造された『マイクロニッコール 55mm f3.5(1961年製造)』か『マイクロニッコールオート 55mm f3.5(1963年製造)』に出会いたいと思います.

出所 : SMATU.netにて撮影
『マイクロニッコール 55mm f2.8S』をFTZマウントでZ50に装着して撮影しました.

SourceNote

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