『読みたいことを、書けばいい。』田中泰延さん著、ダイヤモンド社。
「文章を書く人は即書店へ走れ!!」この本は、普段”ですます調”を心がけている僕が思わず言い切ってしてしまうくらい、そんなレベルでおすすめの本です。
「具体的にどう良いのか?」よく分からないと思いますが、とにかく面白い。
仕事で文章を書いたり、趣味でブログを書いたりと、人生において少しでも言葉を紡ぐ機会がある人は、ぜひ読んでいただきたい。
とりあえず気になった人は、近所の書店で本を手にとり、4ページまでを読みましょう。
文章を書き慣れている人であれば、4ページまでで本書の面白さが十分に伝わることでしょう。そして、4ページで読むのをやめることは、ほぼ不可能です。
そのまま、レジへレッツゴーしてしまうと思います。今日のぼくもそうでした。
ということで、『読みたいことを、書けばいい。』今年読んだ本の中で、確実にトップ10に入る良書です。
まだ 75ページまでしか読んでないのですが、そんなことは気にせずに堂々と『読みたいことを、書けばいい。』の面白さを紹介していきます。
「あなたはゴリラか?」【Yes・No】で答えなさい。
「あなたは、ゴリラですか」
こんな一文から始まる本を、読んだことがあるだろうか…。年間それなりに本を読んできましたが、少なくとも僕はこんな本には出会ったことがありません。
きっと、この記事を読んでいる皆さんも読んだことはないでしょう。
『読みたいことを、書けばいい。』は本のカテゴリーで言うと、いわゆる文章術の本です。
しかし、書店やAmazonでよく見かける「文章を書くための72の方法」「明日から書ける!!ビジネスマン向け文章力講座」のようなノウハウ本とは、全く異なる内容になっています。
まずは、文章が面白い。序章から、その独特の文体にグイグイ引き込まれます。
大切なことは文字が少ないことである。本書は、できるだけ文字を少なくし、無駄な記述を徹底的に排除したつくりになっている。この大切なことを、わたしは近所のコンビニに出かけた際に財布を忘れて取りに帰る途中で、スマホに「無駄な記述を少なくすることが大切」とメモしておいた。
引用:『読みたいことを、書けばいい。』序章より
財布は下駄箱の上にあった。よかった。財布は1年前に買った新品で、ファスナーで閉じる細長タイプのものだ。いずれにせよ無駄な記述が多い本と文字が多い本は読みたくないと思われてしまう。
『文章力向上72のステップ』などという本を見ると、気が遠くなる。だいたい、いつまでステップしているのか。いい加減にホップをするなり、ジャンプをしてはどうか。
引用:『読みたいことを、書けばいい。』序章より
こんな感じで畳み掛けてきます。
ページごとに笑えるポイントが複数箇所あるので、満員電車などの公共交通機関で読む場合は、くれぐれもご注意を。
※以下執筆中です。。。読み終えるまで、しばらくお待ち下さい。(←この本があまりにおすすめだったので、とりあえず75ページまで読んで、ここまで書きました。「以下執筆中です〜」はその名残です。現時点では読了し、続きも書き終えています。面白い本ということを伝えるため、この一文もあえて残して、このような説明も追加しました)
【追記】面白くて3〜4時間で、泣きながら一気に読みました。
さて、ここまで読んでも「本が面白いことは何となく伝わったけど、いまいちどこが良いのかが分からない…何が勉強になるの?」といった感じだと思います。
本項の見出し読めば、ますます意味がわかりません。(確実に『読みたいことを、書けばいい。』に影響を受けております…)
そこで、具体的にどこが良いのか?どの部分を読むべきなのか?を説明しておきたいと思います。
この本には、
- 通常の白いページ
- 薄いグレーになっているページ
↑の2種類で構成されています。そして、薄いグレーになっているページが2〜3割ほどあります。
このグレーの部分は文章術のコラムになっており、文章を書くためのノウハウが実例付きで紹介されています。この部分を重点的に読み、自分の文章に応用することで、徐々に文章力が向上していくと思います。
例えば本書の77ページ。ここは「引きつけると効率がいい」という見出しですが、下記のようなテクニックが紹介されています。
渡辺謙は軽自動車に乗りそうにないのに、渡辺謙は軽自動車の傍らに立ちそうもないのに、渡辺謙は燃費のことなど気にしそうもないのに、渡辺謙が軽自動車の傍らに立って「燃費がいい」ということを伝えれば、渡辺謙に目を奪われた視聴者は、渡辺謙と軽自動車は関係ないということを忘れ、燃費の良さを覚える。しまいには「渡辺謙の車ください」とディーラーに軽自動車を買いに来る客が現れる。この段落にはここまで渡辺謙と7回も書いたので、すでに目を引く文章になっていることがおわかりであろう。
引用:『読みたいことを、書けばいい。』77ページより
このように、グレーの部分は文章術のコラムになっており、文章を書くためのノウハウが実例付きでたくさん紹介されています。
良質なキャッチコピーと、その歴史に触れる
『読みたいことを、書けばいい。』は、広告業界などでキャッチコピーを考えたり、企業でマーケティングを行なっているような職種の人にもおすすめ。
理由は、本文で有名なキャッチコピーが、事例としてたくさん取り上げられているからです。
例えば81ページ。
想像力と数百円 新潮文庫
引用:『読みたいことを、書けばいい。』81ページより
これは糸井重里さんが考えた、日本の広告史上に残る名キャッチコピーです。(ぼくは広告の業界とは、ほぼ縁が無いので、全然知りませんでしたが…)
このような有名キャッチコピーを知ることができ、そのコピーのどこが優れているのかを学ぶこともできます。
同じ項では、auの三太郎のCMなどについても解説されていますが、これは先ほどの糸井さんのコピーとは違ったロジックで作られています。(こちらの広告も大ヒット)
一応、書いておかないと。「本当は泣きながら読んでないだろう」とクレームを頂きそうなので、念の為。
この項の見出しは、『世界の中心で、愛をさけぶ』の有名なキャッチコピーのオマージュです。
このキャッチコピーは、個人的にかなりの名コピーです。
『読みたいことを、書けばいい。』では紹介されていませんが、知らない人は一度ググってみてください。
「泣きながら、一気に読みました」
引用:『世界の中心で、愛をさけぶ』の帯より。
サブタイトルは、『人生が変わるシンプルな文章術』
『読みたいことを、書けばいい。』のサブタイトルは、『人生が変わるシンプルな文章術』。
恐らくこの本を手に取る7割くらいの人は、「文章を上手く書けるようになりたい」のといったニーズを持っている人でしょう。
そんな人は、これから紹介する4行だけを脳細胞に刻みましょう。「文章を上手く書けるようになりたい」といったニーズで本を手に取ったのであれば、この本で語られている答えの本質の部分は、「まさにココだ!!」と感じました。
要は、「起承転結が大事」ということ。「基本が大事。」
- 事象に出会ったとき、
- そのことにについてしっかり調べて
- 愛と敬意の心象を抱けたならば、
- 過程も含めて、自分に向けて書けばいい。
著者の田中泰延さんについて
こんなに面白い本を書くのは、一体どんな人だろう。そう思って調べてみたのですが、恐らく…ぼくが「あーだこーだ」書くより、本の中で紹介されている田中さんの書いた記事のリンクを読んでいただいたほうが、より田中さんのことを知っていただけると思います。
書籍の中では、もっと沢山のリンクが紹介されていますが、全部貼るのもなんなので。「4つでも多い」という人は、2つ目の「石田三成の記事」だけでも読んでみてください。
『シンプルな文章術』の本だけに、シンプルで美しい装丁
そもそもこの本を買うキッカケは、本の装丁が目を引いたからです。(あと、ジュンク堂の人気の新書コーナーで、2位とか3位くらいでおすすめされていたので目立っていた)
昨今、派手なカバーを採用しているビジネス書なども多いので、こういったシンプルな装丁が、かえって書店では目を引くようになっていると思います。個人的に、シンプルな装丁も好きなので、その辺りもこの本が気に入っている要因だと思います。
皆さんは、どんな装丁がお好みですか?
想定読者は、文章を書きたい人、書いている人
- ブログで文章を書いている人
- 仕事でキャッチコピーを考える人
- 日記を書いている人
- 面白い文章が好きな人
- 「お前の言っていることはよくわからん!」と上司から怒られた経験がある人
- 「話が長い」と彼女、好きな人、奥様からよく言われる人(もちろん女性でも)
この本は、↑のような人におすすめです。ひとつでも当てはまる人は、しつこいようですが、書店で4ページまで読んでみてください。
ダイヤモンド社
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