本のタイトル: 九尾の猫
英題: Cat of Many Tails
著者: エラリー クイーン（越前 敏弥 = 訳）
出版社: ハヤカワ・ミステリ文庫（新訳 第2刷）
定価: 1,320円（税込）
少年時代，金田一少年の事件簿にハマったせいか定期的にミステリー小説を読みたくなってしまう．といっても，40歳になるまでろくに古典と言われる作品すら読めていないので，定期的に古き良きミステリー小説の世界に浸るように意識している．
現在は，エラリー クイーンの小説の中から『九尾の猫（英題: Cat of Many Tails）』を読んでいるので，作品の概要や書かれたときの時代背景などを調べつつ，登場人物をまとめておく（小説を読む上で知りたくない，ネタバレは書かずにまとめておきます）．
本の概要と時代背景
まずは，『九尾の猫』のあらすじから（背表紙からの引用含む）．
次から次へと殺人を犯し，ニューヨーク全市を震撼させた連続殺人魔〈猫〉事件．すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず，その正体は依然としてつかめずにいた．手がかりもなく，目撃者もまったくいない．〈猫〉が風のように街を通り過ぎた後に残るものはただ二つ —— 死体とその首にまきついたタッサーシルクの紐だけだった．過去の呪縛に苦しむエラリイと〈猫〉の頭脳戦が展開される．
『九尾の猫』あらすじより引用
ここで書かれている「エラリイ」は，筆者のエラリイ クイーンではなく，小説の探偵役として登場するエラリイ クイーンのことを差している．小説内のエラリイもエラリー クイーンという名前で，職業設定まで作家となっているのでちょっと紛らわしい．この点は，本を読む前に認識しておいたほうがよいと思う．
この作品が出版されたのは1949年なので，書かれてから半世紀以上が経過している．ミステリーの古典作品と考えても問題は無いだろう．この時代は，アガサ クリスティーやクロフツなどのミステリー作家が名作を多くのこしている時代なので，ミステリーの黄金時代とも言われている．
『九尾の猫』はエラリー クイーンの小説の中でも評価が高く，この作品に影響を受けたと考えられる作品が後年沢山書かれている．このことからも，読んでおいて間違いない名著なので，ミステリー小説好きであれば，読んで後悔することは無いだろう．ハヤカワ文庫から新訳が発売されているので，文章も読みやすく，序盤から展開も早いので比較的読みやすい作品だとも感じている．
登場人物
ここからは，『九尾の猫』に登場する人物たちを紹介する．
海外のミステリー作品を読んでいると「あれ，この人は誰だっけ?」となりやすい．自分はかなりこのタイプなので，よく読書中に登場人物が誰だか分からなくなる．読書しながら弊ブログを開いて，読書のお供にしていただけると幸いです．
カバーの袖に登場人物が書かれていますが，毎回カバーの袖を見るのって意外と面倒に感じませんか?
アーチボルト ダドリー アバネシー
第一の被害者．
ヴァイオレット スミス
第二の被害者．
ライアン オライリー
第三の被害者．
モニカ マッケル
第四の被害者．
シモーヌ フィリップス
第五の被害者．
ビアトリス ウィルキンズ
第六の被害者．
レノーア リチャードソン
第七の被害者．
ステラ ペトルッキ
第八の被害者．
法律事務所で速記タイピストとして働いていた（勤めて約15年になる）．
7人兄妹の6番目，ハワード ウィザッカーとは16ヶ月前から交際していた．
ドナルド カッツ
第九の被害者．
工学技術を学ぶ夢見がちな青年，父は歯科医，結婚した姉もいる．
マリリン ソームズ
速記タイピスト．
セレスト フィリップス
シモーヌの妹．エラリイの捜査に協力する．
ジェイムズ ガイマー マッケル
モニカの弟．
シモーヌと同じタイミングで，エラリイの捜査に協力する．
エドワード カザリス
精神科医の博士．
カザリス夫人
エドワード博士の妻．
ベーラ セリグマン
精神分析学者．
トマス ヴェリー
部長刑事．
リチャードクイーン
警視．エラリイの父．
エラリイ クリーン
作家．刑事委員長の要請を受けて，〈猫〉事件を操作する．
ピゴット
本部の刑事．
バーニー
警察委員長．
ジャック
ニューヨーク市長．
エラリイを猫事件の特別捜査官に任命．
ハワード ウィザッカー
ステラ（8番目の被害者）の交際相手．
モービン カッツ
ドナルド（9番目の被害者）の父で，歯科医．
ナーディン カトラー
ドナルドの交際相手，美術学校に通う．
SourceNotes
- 九尾の猫【新訳版】（エラリー クイーン著/ハヤカワ文庫）
