ヘルマン ヘッセ『車輪の下』登場人物と相関図 / #日々読書備忘録 #本買う莫迦

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Photo : SMATU.net


『#本買う莫迦』は,ごくごく私的な読書メモ(#読書備忘録) .読んだ人が「本買おう」と思ってくれればいいなぁと考えながら書いています.だいたい1,000文字に満たない内容,サクッと5分くらいで読めます.

この記事では,ヘルマン ヘッセの『車輪の下』の登場人物・相関図をまとめています.(色々と書いていたら,今回は3,000文字くらいになってしまいました)

村上春樹さんの『ノルウェイの森』を読んでいて,物語の途中で登場し,妙に気になってしまった本がヘッセの『車輪の下』

ワタナベくんが『車輪の下』を緑の家で購入し再読,お金をそっとおいておくシーンは何故か今でも印象に残っています.読了後『ノルウェイの森』の映画もiTunesでダウンロードし視聴.映像は綺麗でキャスティングも良かった.ただ,上下巻ある小説を2時間でまとめるのはどうも無理があるように感じる.小説の冒頭シーンが思いっきりカットされていたのが,個人的には残念でした.

さて,そんなキッカケで購入したヘッセの『車輪の下』.Amazonでは売り切れており残念に感じていたところ,近所の蔦屋でたまたま新刊で発見.新潮文庫キャンペーンありがとう.

『車輪の下』の登場人物と相関図をつくったので,読書のお供としてどうぞ.

『ノルウェイの森』キッカケで,ヘルマンヘッセの『車輪の下』を読み始めることに.
『ノルウェイの森』キッカケで,ヘルマンヘッセの『車輪の下』を読み始めることに.

『車輪の下』登場人物・相関図

『車輪の下』登場人物と相関図
『車輪の下』登場人物と相関図


ハンス ギーベンラート

本作品の主人公,天分のある子どもで周囲の期待を集める.神学校の試験に2位で及第(合格).

作中,具体的な年齢は明記されていないが13〜16歳くらいと推測.

ヨーゼフ ギーベンラート

ハンスの父親.仲買人,兼代理店主.

母親はだいぶ前に亡くなっており,ハンスを男一人で育てる.

目立った特徴もなく,商才も人並み.(性格については冒頭で詳しく描写されているので割愛)

フライクおじさん

町で靴屋を営み,ハンスを温かく見守る.

牧師

ハンスにヘブライ語・ギリシャ語を教える町の牧師.

ヘルマン ハイルナー

神学校の友人,詩人であり文芸家.ハンスは神学校に進学後,ハイルナーから大きな影響を受ける.

エンマ

フライクの姪,歳は18〜19歳くらい.

収穫の時期にハイルブロン(地名)から遊びに来ている.ハンスのことをもて遊ぶ(誘惑).

アウグスト

ハンスの学校の友だち(神学校ではなく,その前に通っていた学校).

機械工として早くから働き始め,ハンスが機械工として働く際に先輩としてサポート.

アンナばあや

ハンスのお婆さん.ハンスを可愛がる.

神学校のルームメイト

オットー ハルトナー

神学校でのハンスのルームメイト.シュトットガルトの教授の子供.天分がある.

カール ハーメル

村長の息子.同じくルームメイト.

エーミール ルチウス

利己主義者,ケチでずる賢い性格の少年.同じくルームメイト.

オットー ヴェンガー

同じくルームメイト,ハイルナート喧嘩する.

その他

エンマ ゲッスラー

ハンスの地元(シュヴァルツヴァルト)の検察官の娘.(ハンスが)以前ちょっと好きだったらしい.

「タカ」小路の住人

ドルフ フィンケンバイン

ハンスの少年時代(8歳のとき)の友人.タカ小路に暮らす町でいちばん悪賢い.

エーミール フィンケンバイン

ドルフと兄弟.

ヘルマン レヒテンハイル

孤児,タカ小路に住んでいる.ハンスは少年時代,最初にヘルマンと仲間になる.ハンスに釣りを教えたのもヘルマンである.片足が短く,杖を使って生活している.



章ごとのあらすじ(ネタバレなし),用語と補足メモ

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Photo : SMATU.net

第1章

物語のはじまり〜神学校の試験に合格するまで.最終的には良い結果(2位)で進学することができるハンスだが,結果が出るまでは「きっと落第している」と思い悩みながら過ごす.

第2章

神学校に通う前の夏休み.牧師さんからギリシャ語を学び始め,その他にも数学など勉強にはげむ.

進学前の休暇中にもかかわらず,ハンスは徐々に勉強漬けの毎日を過ごすようになる.フライクおじさんは「遊びと休業も大事〜」と諭すが,ハンスはそれを聞こうとしなかった.

第3章

神学校に入学,クラスメイトたちとの出会い.「ヘラス」と名付けられた部屋で9人の仲間たちとともに生活がスタートする.ハイルナーと出会い,徐々に彼の魅力に惹かれていく.

しばらくしてからクリスマスとなるので,一時自宅がある町に帰る.

第4章

クリスマスの様子は特に描かれることなく,翌年の1月くらいから章がはじまる.この章の校長とハンスの会話で『車輪の下』という言葉が使われる.(物語で出てくるのはこの1回だけ)

同じ部屋の子供が湖で溺れ死ぬ事故が起こる.ハイルナーとの友情も深まり,それとともに周囲からは孤立するようになる.

第5章

ハンスは精神的に不安定になる.療養のため,神学校から自宅に戻る.タカ小路で過ごした少年時代の回想シーンも,4章に書かれている.

第6章

フライクに呼ばれ,果汁絞りを手伝う.ここでフライクの姪のエンマと知り合う.エンマとキスをしたハンスは,彼女に恋心を抱くようになる.

この辺りから,物語はクライマックスに向かって進み始める.多分読むのも止まらなくなります.

第7章(終章)

エンマはハンスに何も告げず,地元に帰ってしまう.

ハンスは機械工として町で働くようになり,学校の友だちだったアウグストと再開.その週末,アウグストや職場の仲間と飲みに出かけ…

『車輪の下』には何が書かれているのか??

ヘルマン ヘッセは,ドイツの詩人であり小説家.1877年に南ドイツで生まれる.『車輪の下』はヘッセの自伝的小説であり,代表作とされている長編作品.

作中で「車輪の下」という言葉は一度しか登場しない.(新潮文庫版だと,144ページ)「車輪」は人間では逆らい難い,社会システムや人々に根付く慣習・周囲からのプレッシャーや悪影のようなモノを象徴している.その車輪に押しつぶされてしまうことを「車輪の下じきになってしまう」と表現している.

「疲れきってしまわないようにすることだね.そうでないと,車輪の下じきになるからね」

ヘッセは作家になる前に,何をやっても上手くいかない時期があった.そんな絶望していたヘッセを救ったのは,母親の存在.『車輪の下』の主人公は母親を幼い頃に亡くしており,ヘッセとは異なる人生の結末に向かっていく.この事実(ヘッセの人生)と物語(ハンスの人生)の相違から,ヘッセは母の愛に対し非常に大きな感謝の念を抱いていたことが想像できる.

〈了〉

『ヘッセの読書術』と併読もおすすめ.
『ヘッセの読書術』と併読もおすすめ.

SourceNotes

  • ヘルマン ヘッセ『車輪の下』新潮文庫

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