翻訳機【Zero / ゼロ】7,000円で議事録と文字起こしから開放される未来がくるかも.

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Timekettle / タイムケトルのスマート翻訳機『Zero / ゼロ』.4方向からの音声認識とテキスト書き出しができる,小型の翻訳デバイスです.

7,000円ちょっとの投資で,議事録作成やインタビューの文字起こしから開放される未来がくるかもしれません.

スマート翻訳機『Zero / ゼロ』は,iPhoneやAndroid端末に付けて使える小型翻訳機です.

Photo : iStock by Getty Images

Timekettle / タイムケトル 様より,発売前の製品を提供いただいたので,そのレビュー記事です.

Timekettle社は,中国深センで2016年に創業したスタートアップ企業.イヤホン型翻訳機「WT2」や,今回レビューするAI翻訳機「ZERO」を製造販売しています.

クラウドファンディングのKickstarterやMakuakeで資金調達に成功していて,NewYorkTimesなど多くのメディアでも紹介されています.

NewYorkTimes : The Latest in Translation Devices

Timekettleは2016年、創業者の田力(リール)によって設立された深センスタートアップ企業。その第一弾のイヤホン型翻訳機「WT2」はKickstarter・Makuakeで合計約4000万円の支援獲得。2019年からは後継機「WT2Plus」の販売され、BBCやNewYorkTimesなど世界的メディアに紹介される。第二弾のスマート翻訳機「ZERO」は、2019年6月のIndiegogo、11月の啧啧にて合計1.4億円を超えるクラファン支援を獲得。「言葉の壁を越えた繋がりを」をコンセプトに、使いやすさにこだわった、”今までにない翻訳機”を開発するAI翻訳機ブランドです。

引用 : Timekettle Makuakeの企業紹介ページより

スマート翻訳機『Zero / ゼロ』は,日本のクラウドファンディング Makuakeで,目標金額50万に対して3,000人以上のサポーターから2,300万円以上を獲得しています. ※本記事を執筆時点の情報.

発売時期は2020年7月末.発売予定価格は7,980円(税込)となっています.

Makuakeでは,6月末くらいまで販売を行っているようなので,気になる人はチェックしてみてください.

Makuake : 充電不要、スマホに挿すだけ楽々翻訳!財布にも入る多機能スマート翻訳機「ZERO」

スマート翻訳機 『Zero / ゼロ』製品の特徴

『Zero / ゼロ』は,以下のような特徴を持つ製品です.

スマート翻訳機 『Zero / ゼロ』製品の特徴
  • スマホに差すだけで翻訳が可能(無料の専用アプリは必要)
  • 充電は不要,差すだけで使える
  • 小指サイズのコンパクトさで持ち運びがラク
  • 93言語に対応
  • 会議モード,インタビューモードを使えば,音声データの文字起こしが可能

商品を開封して手にとった時は,「スマート翻訳機というだけあって小さいなぁ」といった印象.製品説明に書いてある,”小指サイズのデバイス”というのは嘘ではありません.まさに小指サイズの翻訳機.

製品のまま持ち運ぶこともできますが,マグネット式の専用ケースが同梱されているので,それに入れて持ち歩くといいと思います.ケースに収納してもカードサイズ.小物入れやポケットに入れても,かさばりません.

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まさに小指サイズの小型翻訳機,重さもわずか6.5グラム.

スマート翻訳機 『Zero / ゼロ』,開封の様子とファーストインプレッション

新品を送っていただいたのですが,最初から箱にダメージがありました.一度開封されたような雰囲気もあり,若干気になる点も…

まぁ,レビュー用に無償で提供いただいた製品なので,細かいところは気にしないことにします.(ただ,このような時期なので,IPA 70%クロスを使って念の為クリーニングしてから利用を開始)

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梱包は丁寧でしたが,箱にはすでにダメージが…
すでに結構な数のレビューがネットに上がっているので,ちょっと気になりますね.
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新品を発送ということでしたが,時期的にも気になるのでアルコールで消毒を.
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本体の背面,製品ロゴが印刷されています.
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本体正面.※こちらが画面側になるように端子をさします.本製品の一番の特徴とも言える,4機のスピーカーが見えます.

スマート翻訳機 『Zero / ゼロ』の同梱品

同梱されているのは,カード型ケースと各国言語に翻訳されている取扱説明書のみ.充電が不要なので,同梱物はシンプルな構成.(良い意味で)

専用ケースはマグネットが内蔵されているので,デバイスを「カチッ」とスムーズにはめ込むことができます.アップル製品みたいでいい感じです.

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充電の必要もないので,同梱品はシンプル.本体,ケース,説明書のみです.
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ケースにはマグネットが付いており,製品がカチッとはまります.Apple製品のようです.
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ケースに収納している状態.ポケットや小さめのカードケースにも収納可.
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【Zeroを使った感想】「状況によってはグーグル翻訳より便利.ただ翻訳精度は今後に期待.そして会議モードは,アプデによっては唯一無二の機能になるかも!?」

まずは,結論を先に書きます.

個人的に『Zero』を使ってみた感想は,「状況によってはグーグル翻訳より便利,そして翻訳の精度は今後に期待」です.

日常の翻訳作業は,ほとんどグーグル翻訳を使っています.グーグル翻訳のiOSアプリにも,会話翻訳モードがあります.なので,ちょっと道を聞いたり,日常会話レベルであれば,グーグル翻訳アプリで十分だと感じました.

ただ,これから紹介するZeroの「会議モード」「インタビューモード」は,グーグル翻訳より優位性が高いです.Zeroの開発コンセプトのひとつにビジネスシーンでの活用があるようなので,議事録取りや会議の文字起こしをする人にとっては便利なデバイスになると考えます.

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ビジネスシーンで付加価値の高いデバイスになる,そんな予感がしています.

議事録,文字起こしに便利な「会議モード」と「インタビューモード」

Zeroを使うためには,AppStoreで『Timekettle』アプリをインストールします.(もちろん無料)

この『Timekettle』アプリには4つのモードが用意されていて,そのなかの「会議モード」「インタビューモード」は,Zeroの特徴を活かしたモードだと感じました.

Zeroで使える4つのモード
  • 翻訳モード
  • 会議モード
  • インタビューモード
  • テキスト翻訳

恐らくこのZeroというデバイスの一番の特徴,そしてサービスを差別化するポイントは,4つのマイクによる音声の方向を認識する機能です.現在のソフトウェア(アプリ)では,「会議モード」がこの性能を活かしたモードとなっています.

Zeroで「会議モード」を使うと,4つのマイクが音声の方向から,誰(厳密にはどの方角にいる人)が発言したかを自動で認識します.これによって,会議中の会話を「誰が」「いつ(時間)」「なんと発言したか」という詳細なテキストデータとして残すことができます.

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「会議モード」を使っているときの画像.
4方向の会話を自動で認識,誰(名前の設定も可能)の発言なのかまで記録可能.

しかも,記録したテキストデータは一括してエクスポート / 書き出しすることが可能.なので,(最大)4名で行う会議の議事録を,ほぼ手間なくテキストデータとして記録しておくことができます.

人数が限られていること(厳密には認識する方角),音声認識の精度がイマイチにな時があることなど,少々不満や改善してほしい点はあるのですが,この機能はビジネスシーンで一定のニーズがあると感じました.

特に,議事録を取ったり,会議の文字起こしに時間や手間を使っている人は,作業を自動化できるので,Zeroを使ってみるメリットが高いと思います.

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会議モードのテキストはデータとしてコピペが可能.
Evernoteなどにコピーしてクラウド管理もできます.

「会議モード」「インタビューモード」では翻訳はできません(2020年5月現在)

スマート翻訳機の「会議モード」「インタビューモード」という字面だと,音声を翻訳できると勘違いしてしまいます.しかし,「会議モード」「インタビューモード」モードは(2020年5月時点では)翻訳には対応していません

あくまで,1言語のテキストデータと音声データを記録するための機能

ここは,勘違いや間違いやすいポイントなので注意してください.ただ,スマート翻訳機・AIによる学習をうたっていることから,今後のアップデートで機能が改善する可能性はあります.

個人的には,ビジネスシーンに向けたアップデートにも期待しています.

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スマート翻訳機 『Zero / ゼロ』の使い方と購入方法

スマート翻訳機 『Zero / ゼロ』は,充電不要で専用アプリをインストールすればすぐに利用することができます.

サービスを利用するための会員登録なども不要.基本的にはデバイスがあれば,フルで機能を使えます.

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専用アプリをインストールすれば,すぐに利用することが可能.

スマート翻訳機 『Zero / ゼロ』の使い方 〜4つのモードを使い分ける〜

Zeroには,「翻訳モード」「会議モード」「インタビューモード」「テキスト翻訳」の4つのモードがあり,シーンに応じて使い分けます.

前述した会議モードの以外では,翻訳モードを利用することが多くなることでしょう.(現在は新型コロナウィルスの影響で,海外の方とのコミュニケーションの機会が全くと言っていいほどありませんが)

アプリを起動すると,左上にメニューのアイコンが表示されます.ここをタップするとモードを切り替えることができます.アプリを起動した時は,「翻訳モード」がデフォルトで選択される仕様.

簡単に,それぞれのモードの特徴をまとめておきます.

「翻訳モード」の特徴

・画面を上下に分割する独自のUI(ユーザーインターフェース)を使用

・正直,UI以外ではグーグル翻訳とそれほど違いはない

・連続で会話できる点はグーグルアプリより○

・翻訳の精度は,グーグルとさほど差を感じない(日本語と英語においては)

「会議モード」の特徴

・4方向からの音声を認識できる

・誰の(どの方向からの)発言かを記録

・会話音声と会話テキストの両方を記録

・テキストをデータ化してコピペが可能

・言語は1言語のみに対応(翻訳はできません)

「インタビューモード」の特徴

・会議モードの2名版のようなモード

・インタビューされる側とする側の音声を認識して記録する

・テキストをデータ化してコピペが可能

・1言語のみに対応(「会議モード」と同じく翻訳はできない)

・Zeroをインタビューされる側に近づけて利用する仕様

「テキスト翻訳」の特徴

・音声ではなくテキスト入力で翻訳したいときに利用

・グーグル翻訳で十分と感じる

・Zeroを使うメリットは今のところ見つけられていない

スマート翻訳機 『Zero / ゼロ』の購入方法 〜クラウドファンディングで購入可能〜

日本では,クラウドファンディングのMakuakeでZeroを購入することができます

2020年7月末までに発送される予定で,価格は6,380円〜です.定価は7,980円になっていますが,クラウドファンディングを使って購入すると20%オフで入手することができます.

複数のプランが用意されているので,気になる人はMakuakeのサイトをチェックしてみてください.

Makuake : 充電不要、スマホに挿すだけ楽々翻訳!財布にも入る多機能スマート翻訳機「ZERO」

まとめ :スマート翻訳機『Zero / ゼロ』 .気になる点もあるが,今後のアプデに期待できるGadgetです

Timekettle / タイムケトル様より提供いただいた,スマート翻訳機の『Zero / ゼロ』を紹介しました.

弊ブログでは,『商品をご提供頂く場合でも,気になる点は隠さず正直に書く』をモットーにレビューを公開しています.製品は無償で提供いただきましたが,「気になる点も正直に書いていいですよ」と快諾いただいたので,色々と気付いた点も辛口でレビューさせていただきました.

結論のところでも触れましたが,Zeroは状況によってはグーグル翻訳より便利なデバイスです.ただ翻訳精度は「??」と感じるシーンも多々ありました.発売前の製品ではありますが,翻訳の精度についてはもうちょっと頑張ってほしいところ.

ただ,会議モードについては将来性と便利さを感じました.アプデによっては唯一無二のデバイスになるかもしれないと,本気で感じています.4つのマイクによって音声の方向を識別できるので,この点を活かした機能の実装とアップデートを楽しみにしています.

スマート翻訳機のZero,今後に期待大です.

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