モバイル特化のサイバーセキュリティ会社Lookoutは、スマートフォン紛失についての詳細な調査結果を公開しています。
Lookoutの調査結果によると、利用者がスマートフォンを紛失する一番の原因は
「どこかにうっかり忘れてしまうこと」
早速スマートフォンを紛失する様々な要因や、紛失対策についてみていきましょう。
参照サイト:Lookout
※本記事はLookoutによる報告書、“IDG Researchによるスマートフォン保有者を対象としたアンケート”を参照にしています。
日本ではスマートフォン利用者の5人にひとりが紛失を経験している
日本におけるiPhoneをはじめとする、スマートフォン保有者に対する調査で
全国の保有者の5人に1人(23%)がスマートフォンを失くすや、置き忘れるといった経験したことがあると回答しています。
大部分の人は取り戻せているのですが、紛失した人の内11%の人は端末を取り戻すことができませんでした。
スマートフォンの紛失件数は年々増加傾向にあり、紛失の原因は“うっかりしたミス”であることががほどんどです。
スマートフォンを紛失したことがある人のうち45%が、(うっかりして)公共の場所にスマートフォンを置き忘れたと回答しています。
Lookoutの報告書によるとスマートフォンの紛失の典型的なパターンは、
・午後のショッピングセンター
・公共交通機関を利用中
などに起きる、うっかりが原因での紛失となっています。
当然のことながら、プラットフォームのほとんどがiOSかAndroidのスマートフォンです。
日本人はどのくらいスマホを失くすのか?
紛失の被害は、比較的都市圏に居住する若者が多いようです。
スマートフォンを失くした人は、端末を取り戻すためならなんでもすると考えており、失くしたスマートフォンのデータの回収だけでも10万円支払っても良いと答えています。
では、国別での紛失事情はどのようになっているのでしょうか?
日本は、他の先進国と比較するとスマートフォンの紛失率は低めに推移しているようです。
スマートフォンの紛失を経験した人の割合が、日本は23%なのに対し
イギリス…35%
アメリカ…30%
ドイツ …29%
という結果が出ています。
フランスは日本よりも紛失率が低く、15%でした。
この統計からも分かるように、スマートフォンの紛失は世界中のモバイルユーザーの抱えている深刻な問題と言えます。
紛失原因についての詳細な調査結果
それでは、スマートフォンを紛失際の調査データについて詳しくみていきましょう。
どんな場所でスマートフォンを紛失した?
・公共の場所に置いたのを忘れてそのまま…45%
・置き忘れて紛失に気が付かなかった…29%
・ポケットやカバンから滑り落ちたのに気づかなかった…25%
どこでスマートフォンを紛失したか?
・公共交通機関…16%
・お店、ショッピングセンター…16%
・飲食店…14%
・路上…9%
・勤務先…8%
いつ紛失したか?
・6時〜11時…10%
・2時〜17時…38%
・18時〜21時…34%
・22時〜5時…14%
調査結果を詳しく分析すると、スマートフォンを紛失する多くの要因は利用者のうっかりよるものだと分かります。
タクシーの座席に置き忘れたり
ショッピングモールのトイレに忘れたり
飲食店に置いたままだったり
と、少し注意しておけば防ぐことのできたであろう原因がほとんどのようです。
スマートフォンを紛失しないためには、こうしたうっかりミスを無くすことが重要となります。
スマートフォンを入れるポケットを決めたり、場所を移動するときは必ずスマホを持っているか確認する習慣をつけることで紛失を防ぐことができると言えます。
スマートフォンを失くしやすいのは〇〇県民!?
スマートフォン紛失の特徴と傾向を明らかにするために、Lookoutのは日本各地区でどのようにスマートフォンが紛失されたかも調査しています。
今回の調査では、沖縄地区がスマートフォンを紛失する確率のトップとなってしまいました。
実に、スマートフォン利用者の半数近くである約45%以上の人がスマートフォンを紛失した経験をもっていました。
(全国平均の2倍の紛失率です)
その他にも、東北・関東・関西地区が平均を上回る紛失率を記録しています。
スマートフォン紛失発生が多き地域(多い順)
1位…沖縄
2位…東北
3位…関東
4位…関西
5位…北海道
6位…中部
7位…九州
8位…中国
9位…四国
スマホのデータ、あなたはいくら払いますか?
私たちは、スマートフォンに非常に多くのデータを保存するようになりました。
利用者にもよるとは思いますが、
・写真のデータ
・友達や家族の連絡先
・金融機関の重要なデータ
・ネットショッピングのIDやパスワード
など、非常に重要かつ膨大なデータを保存しています。
ユーザーはスマートフォンに入れているどのようなデータを重要視しているのでしょうか?
スマートフォンに保存された極めて個人的な(重要とする)データ
・個人的なメール…88%
・写真…87%
・アドレス情報…77%
・パスワード情報…35%
・銀行金融機関情報…21%
やはり、スマートフォン利用者のほとんどが上記のパーソナルな情報を非常に重要と考えているようです。
では、スマートフォンを紛失したユーザーは中身のデータにどれくらいの価値があるとしているのでしょうか。
スマートフォンを紛失した人の約半数(44%)は、端末を除くデータだけが復旧するのであれば5万円以上払うと回答しています。
支払うつもりがある金額
・5万円…44%
・10万円…5人中2人
(5万以上と回答した人の内)
※上記の金額はスマートフォンの端末代金を除いて、“データを取り戻すために支払ってもいいと思う価格”。
スマートフォンを紛失した際に行うべきこと
万が一スマートフォンを紛失してしまった場合、人はどのような行動をとるのでしょうか?
また、どのような行動が適切なのでしょうか?
スマートフォンを失くしたと気づいた人は、下記のような行動をとる傾向が強いようです。
スマートフォンを取り戻すためにとった行動
・来た道を戻って入念に探した…57%
・ほかの電話から自分のスマートフォンに電話をかけた…50%
・スマートフォン探索アプリで位置検索をした…21%
スマートフォン紛失時に行うべき5つの対処
万が一スマートフォンを紛失してしまった場合は、焦らず以下の5つの対応を出来るだけ迅速に行なってください。
対処1:電話をかける
スマートフォンを紛失した場合は、まず近くの友人などから電話を借りて自分のスマートフォンに連絡してみましょう。
飲食店や公共交通機関で失くして、運良くお店の人が拾ってくれた場合はこの方法ですぐに見つけることができます。
スマートフォンの紛失に気づいたら、焦らずにまずは電話をかけてみましょう。
対処2:遠隔操作でスマートフォンにロックをかける
iPhoneや多くのAndroid端末は、遠隔でのロック操作に対応しています。
どこで紛失したか分からない場合や、電話をかけても誰も応答してくれない場合は遠隔操作で端末にロックをかけましょう。
悪意のある第三者機関から、大切な個人データを守ることが非常に重要です。
対処3:位置情報サービスを使って端末の場所を確認する
iPhoneやAndroid端末は、デバイスの位置を確認できる機能が備わっています。
iPhoneの場合であれば、パソコンなどから端末の位置情報を(おおまかに)知ることができます。
(“iPhoneを探す”などの機能)
最寄りの交番などに位置情報が表示されている場合は、直接尋ねたりしてみましょう。
また、この時に位置情報が特定できなければ「遺失届」を警察に提出しましょう。
警察がスマートフォンを見つけてくれた場合は、契約しているキャリアを通じて連絡がある場合があります。
こういった場合は、遺失届が提出してあると引き取りがスムーズです。
警察への届け出も、忘れずに行っておきましょう。
対処4:端末のデータを消去する
iPhoneやAndroid端末は、遠隔操作で端末内のデータをすべて消去することができます。
あらゆる手をつくしても、端末が発見できそうにない場合は個人の重要なデータを消去することが重要です。
端末のデータはバックアップがあれば、見つかった後から復元することができます。
端末の紛失が濃厚になってきた場合は、データの遠隔消去も検討してください。
金融機関系のデータ等の流出は、被害の拡大にもつながります。
また、このような事が起こる前にスマートフォンのデータは可能な限りこまめにバックアップしておくようにしましょう。
対処5:携帯電話回線を停止する
携帯キャリア(SoftBank、au、docomo)などで端末を契約している場合は一旦回線を停止しましょう。
回線の停止方法は、各キャリア毎に異なりますので店舗スタッフやHPなどの情報にアクセスしてみてください。
端末が悪用されて、膨大な通信料金の請求などされる可能性もゼロではありません。
端末を紛失してしまったら、回線のストップも行いましょう。
まとめ
端末の紛失は、スマートフォンユーザーが日々直面している問題といっても過言ではありません。
スマートフォンを出してうっかりテーブルに置き忘れたり…
ポケットに入れる際にうっかりすべらせて落としてしまったり…
そのまま気づかないで、紛失してしまうケースが非常に多いことが分かっていただけたと思います。
また、便利であるがゆえに手にする回数も多く紛失の可能性が高くなり、失くした際の被害も非常に大きいと言えます。
この記事をお読みいただきスマートフォンを紛失しないように、より一層大切に端末を扱っていただけると嬉しく思います。
- 参照元の統計データについて
- 本記事は、日本国内を対象としてインターネットで実施されたIDG Researchのアンケート結果を参照としています。
- 調査実施期間
- 2014年9月15日〜18日
(3日間) - 調査方法
- インターネットを通じたアンケート形式
- 調査対象者
- 18才以上のスマートフォン所持者1000人
- 調査元
- Lookout
※本記事のデータや画像はLookoutの調査データや画像を引用しております。
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