芸術の分類:「視覚芸術」「音響芸術」「総合芸術」の3つで分類 +「文芸」と覚えておこう.

写真に興味を持ち始めてから,写真技術の発展や写真表現の変革を辿っていると,美術史,芸術,哲学といったジャンルの理解も必要になってくる.

ここでは,「写真」「写真表現」というものを内包する「芸術」が,現代においてどのように分類・整理をされているのか?についてまとめている.

芸術/art:美的な物体,環境,体験を創造する人間の活動,またはその成果

まず,「芸術(英語で言うところの art)」は,美的な物体,環境,体験を創造する人間の活動,またはその成果と定義されていると理解しておこう.

また,芸術は伝統的に文芸と美術に分類されている.
文芸は詩,小説,戯曲などの言語表現による芸術で,美術は視覚的,空間的な表現を目指す芸術を指している.

文芸;詩,小説,戯曲などの言語表現による芸術
美術;絵画,彫刻,建築,工芸のような視覚的・空間的な表現による芸術

すなわち,芸術には,以下のような様々な表現形式が含まれることになる.

  • 詩,小説,戯曲
  • 絵画,彫刻
  • 建築,工芸
  • 映画,音楽
  • 舞踊

ちなみに辞書で「○○芸術」を調べてみると,これだけの数の用語が存在していた.

  1. 応用芸術
  2. 環境芸術
  3. 郷土芸術
  4. 空間芸術
  5. 言語芸術
  6. 原生芸術
  7. 公共芸術
  8. 視覚芸術
  9. 時間芸術
  10. 造形芸術
  11. 抽象芸術
  12. 舞台芸術
  13. 民衆芸術
  14. 模倣芸術

しかし,上記に示した○○芸術は,一般的には「視覚芸術/造形芸術」「音響芸術/聴覚芸術」「総合芸術/舞台芸術」の収束されるとも考えることができる.なので,この3つだけを○○芸術の大まかな分類として覚えておくのがよいと思う.

「視覚芸術」「音響芸術」「総合芸術」,この3つにプラスして「文芸」.こういった考え方で思考を整理できていれば問題ないだろう.

視覚芸術/造形芸術:絵画,彫刻など視覚を介して鑑賞される芸術
音響芸術/聴覚芸術:作曲,演奏,指揮といった実在的空間性を欠く芸術
総合芸術/舞台芸術:演劇,オペラ,舞踊などの舞台上で創造される芸術

芸術の分類について考える場合,その芸術の存在様式が空間的であるか,時間的であるか,あるいはその媒体が何であるか,これらの要素によっても様々に分類される.

さらに近代では,芸術媒体 (メディア) の多様化により,ますます拡大される傾向にあるようにも感じる.

そして,芸術現象を解明する学問として,芸術学や美学と呼ばれる学問も存在しているので,それらの学問については,また別の機会でまとめてみようと思う.

<了>

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