PR(ピーアール)という言葉は,日本でもよく使われる.「PR活動」「PR方法」「PRしといてね」など,PRと聞けば,誰しも色々な言葉が頭をよぎるだろう.
普通に生活しているだけで,街頭に設けられた大型ビジョン,習慣的に流れされるテレビモニター,iPhoneの6.1インチのディスプレイ…などから,PRのために作られた映像が自分の意志とは関係なく日々の視界を埋めていく.
PRという言葉は,Public Relations(パブリック リレーション)の頭文字からきている.「パブリック=公共」「リレーション=つなぐ」の意味なので,直訳すれば「公共とつながる」のようなニュアンスになるだろう.手元にある広辞苑で意味を引いてみると,以下のように書かれていた.
PR Public Relations(パブリック リレーション)企業体または官庁などが,その活動や商品などを広く知らせ,多くの人の理解を高めるために行う宣伝広告活動.広く一般にも言う.「自分を―する」
引用: 広辞苑
PRという言葉が日本で一般的に使われるようになったのは,戦後の占領期くらいからと言われている.当時,駐留アメリカ軍を通じて持ち込まれた雑誌広告が日本文化に影響を与え,PRという言葉もこの頃から一般に普及し始めたらしい.
日本の広告産業は,戦後の占領期においてその基礎が作られた.グラフィック面では駐留アメリカ軍を通じて持ち込まれた雑誌広告が影響を与え,制作面ではアート・ディレクター制度が導入されている.またPR(パブリックリレーション)やマーケット・リサーチなどの実践は,占領軍の広報活動を通じて知られることとなった.
引用: 『教養としての写真全史』
最近,↑で文章を引用させてもらった『教養としての写真全史』を読んでいるが,「写真」というテーマ周辺に点在するメディア史も学べるので,とても勉強になる書籍だと感じている.写真の教科書的な本としても良くできているので,毎日興味深くページを捲ってテキストを追いかけている.
写真史やカメラに興味がある人は,書店で見かけたら一度手にとってみるとよいだろう.以下は,日常にあるれている様々なPRをまとめた写真達.こうやってみると,世界のあらゆる場所でPR活動が行われていることが解る.
〈了〉
SourceNotes
- 広辞苑: PR Public Relations(パブリック リレーション)
- 『教養としての写真全史』鳥原 学著,筑摩書房