『日本語の正しい表記と用語の辞典 第3版』は,文字づかいを正確にし,分かりやすい文章を書くための参考書(辞典).
価格は1,500円(税別)です.
大人で,自分用に辞書を買う人は少ないかもしれません.しかし,すぐれた辞書や図鑑は,読み物としても楽しめるものが多く,実はコスパが高いです.
なのでビジネス書と同じ価格帯で購入できる本書は,かなりお得な部類に属する辞書と言えるでしょう.
そんな『日本語の正しい表記と用語の辞典 第3版』の最初の章「原稿整理の必要性とそのポイント」を抜粋し,ウェブ媒体の記事を分かりやすく書くコツを解説します.
文章を書くのが苦手な人,分かりやすい文章を書きたい人,の参考になれば幸いです.
『日本語の正しい表記と用語の辞典』に学ぶ,文章を書くときの3つの留意点
- 正しい文章を書く
- 読みやすい文章を書く
- 見やすい文章を書く
この3つに分けて,留意点(気をつけるべきポイント)を紹介します.
ブログやウェブメディアだけでなく,ビジネスの現場でも,文章を書くときの基本になります.ぜひポイントをおさえておきましょう.
【留意点1 : 正しい文章を書く】誤りのない内容・表記・表現を書くためのポイント
情報発信する,情報を伝える.この時にいちばん大切なのは,正確性です.
情報の真偽はもちろんのこと,「固有名詞(人の名前)」「数量・数値」にも誤りが無いか注意が必要です.
- 誤字脱字,誤植の無いようにする
- 短時間で投稿,締切が短い場合でも,可能な限り文章を見直す
- なにかの情報を書く場合は正誤をチェックし,出典(出所)も明確にする
- 特定の個人や団体に不快感を与えないように気をつける
【留意点2 : 読みやすい文章を書く】読みやすい記事・文章を書くためのポイント
いくら内容が良くても,読みにくい文章は最後まで見てもらえません.
読む人の立場になって,読みやすい表現・表記を使うように心がけます.(初心者向けの解説記事は,平坦な文章で構成する.専門用語を使わず分かりやすい言葉で書く…など)
- ペルソナ(対象とする読者)を明確にし,それに合わせた文体や表記に統一する
- 漢字と平仮名のバランスを整える
- 媒体に合わせた,改行・文章の長さを意識する
- 用語が統一できるものは合わせる
- 数字の書き方や文章の体裁を整える
ペルソナ とは,サービス・商品を利用するユーザー像のこと.文章を書くときは,読んでくれる読者の「年齢,職業,ライフスタイルなど」を想定して書くとようにします.
「ペルソナ」とは、商品・サービスを利用する顧客の中で最も重要な人物モデルのことです。
今さら聞けない「ペルソナ」とは。意味やマーケティング上での活用方法について
改行を入れることや,文章の長さがいかに重要なのかは,マコなり社長の動画がとても勉強になります.(しかも,おもしろい)ぜひ,チェックしてください.※記事末のSourceNotesにもリンクを貼っておきます.
【留意点3 : 見やすい文章を書く】リライト・チェックするときの具体例 〜漢字をひらく〜
正確性,読みやすさと同じくらい,文章をパッと見たときの印象は大切.
『日本語の正しい表記と用語の辞典 第3版』では,漢字をひらく(漢字→ひらがなにする)ことの重要さも,具体的な例で紹介してあります.
- 「〜迄」「〜位」の助詞は,かな書きにする
- 「面白い」「真面目(まじめ)」「何時(いつ)」の当て字・熟字訓も,かな書き
- 「(〜て)来る」「(〜て)居る」の補助的な動詞も,かな書き
- 「(〜の)様な」の助動詞も,かな書き
- 「やって来る」の「来る」は,補助的であればひらき,もとの意味に近いなら漢字を使う
- 「所で」のような接続詞は,ひらく
- 「杜撰(ずさん)」のような漢語でも,やさしく見せたいなら,ひらく
ウェブの文章は,漢字をひらいてあげたほうが見た目の印象がよくなり,最後まで文章を読んでもらいやすくなります.
最後にポイントをまとめます.
人が生きていくうえで,分かりやすい文章を書くことは,とても大事.
今回紹介した,ちょっとした工夫を習慣化すれば,正確で・読みやすく・見やすい文章が書けるようになります.
最後にポイントをまとめました.復習として,もう一度読んでみてください.
正確な文章を書くポイント
・誤字脱字,誤植の無いようにする
・短時間で投稿,締切が短い場合でも,可能な限り文章を見直す
・なにかの情報を書く場合は正誤をチェックし,出典(出所)も明確にする
・特定の個人や団体に不快感を与えないように気をつける
読みやすい文章を書くポイント
・ペルソナ(対象とする読者)を明確にし,それに合わせた文体や表記に統一する
・漢字と平仮名のバランスを整える
・媒体に合わせた,改行・文章の長さを意識する
・用語が統一できるものは合わせる
・数字の書き方や文章の体裁を整える
見やすい文章を書くポイント
・「〜迄」「〜位」の助詞は,かな書きにする
・「面白い」「真面目(まじめ)」「何時(いつ)」の当て字・熟字訓も,かな書き
・「(〜て)来る」「(〜て)居る」の補助的な動詞も,かな書き
・「(〜の)様な」の助動詞も,かな書き
・「やって来る」の「来る」は,補助的であればひらき,もとの意味に近いなら漢字を使う
・「所で」のような接続詞は,ひらく
・「杜撰(ずさん)」のような漢語でも,やさしく見せたいなら,ひらく