『フランケンシュタイン』メアリー シェリー著,登場人物と相関図【(記事の後半に)ネタバレあり】

小説 フランケンシュタインの概要と,本作品をおすすめする理由

タイトルである「フランケンシュタイン」 は,怪物の名前ではありません.
フランケンシュタインは怪物ではなく,怪物を生み出した若き天才科学者の名前です.

本作『フランケンシュタイン』は,イギリスの作家メアリー シェリーが生み出した物語です.
ホラー小説の古典と侮っていたけれど,読んでみた結果とても面白かったため,「もっと早く読んでおけばよかった」と激しく後悔しています.

この記事を読んで,ちょっとでも「フランケンシュタインを読んでみようかなぁ」と思っていただけると幸いです.

新潮文庫のフランケンシュタイン.新訳で読みやすい.
新潮文庫のフランケンシュタイン.新訳で読みやすい.

フランケンシュタインは,イギリスの作家メアリー シェリー が1816年から書き始め,1818年に匿名で刊行された作品です
著者は,SF(サイエンス フィクション)の創始者とも呼ばれています.
驚いたのは,そんな怪物の物語を書き上げた時のメアリー シェリーが,まだ20歳だったということ.
20歳でこのストーリーを創造できるとは,驚きです.

アメリカが独立を果たし,ヨーロッパはフランス革命後のナポレオン戦争に突入し,産業革命を経たイギリスでは工業化が進み,資本家と労働者という新たな階層が顕在化しつつあった時代だ.

生物学や生理学をはじめとする近代自然科学が急速に発達した時代にも当たり,作中にも言及のあるルイージ・ガルヴァーニによる静電流の実験が行われ,電磁気の研究がすさまじい勢いで進み,エラズマス・ダーウィンが進化論の先駆となる論を唱え,十九世紀の初頭になると近い将来には生命の創造も夢ではないと考えられるようになる-

訳者あとがきより引用

当時は近代自然科学が急速に発展していた時代でもあり,そのような背景もあってこの物語が生まれたと考えることもできます.そして本書は,下記3つの視点で物語が展開していくのが特徴です.

  • 海洋冒険家であるロバートの手紙
  • 怪物を生み出したヴィクターの語り
  • そして最後まで「怪物」としか表現されず物語に強烈な印象残す哀しき男の話.

個人的に話に引き込まれたのは,怪物が誕生し,世界を認知し,成長して,世界の人々から爪弾きにされてしまう,『フランケンシュタイン』の中盤あたりから.
この物語には,偏見と冤罪,平凡な幸福,人間が求める名誉欲,誰からも必要とされない者の哀しみ,こういったテーマが複数詰まっているように感じました.

読む人によって響く部分は違うと思いますが.この物語は今後も定期的に再読したい作品です.
同じ個人であっても,読む時の心情や状況によって様々な気づきを与えてくれる作品は,良い作品だと思います

フランケンシュタイン 登場人物

ここからは,フランケンシュタイン「1.登場人物」「2.あらすじ」「3.人物相関図」の順番で紹介します.
後半の人物相関図は,物語のネタバレを含むため,小説を純粋に楽しみたい方は読み終えてからチェックしてください.

ロバート ウォルトン

海洋冒険家,28才.

マーガレット

ロバートの姉.

ヴィクター フランケンシュタイン

若き科学者,エリザベスとは義理の兄妹.
研究の末,怪物を生み出す.

エリザベス ラヴェンツァ

ヴィクターの義理の妹(お互いでは従妹としている)
ヴィクターの両親がコモ湖に滞在していた時,そこで暮らす貧しい夫婦から引き取る.
産みの親は別にいて,ミラノの貴族らしい.(母親はドイツ人)
ヴィクターが17才のとき,猩紅熱にかかる.
自身は回復するが,看病の代償として母が亡くなる.

ヘンリー クラーヴァル

ヴィクターの友人,ジュネーヴ商人の息子.

クレンペ教授

ヴィクターの通うインゴルシュタットの学校で,自然科学を教える.
教授.

ヴァルトマン教授

同じくインゴルシュタットの学校で化学を教える.

アーネスト

ヴィクターの弟.
エリザベスにとっては,義理の弟.

ウィリアム

ヴィクター,アーネストの弟(末っ子).
何者かの手によって,殺害される.

アルフォンス フランケンシュタイン

ヴィクターの父.

カロリーヌ ボーフォール

アルフォスの妻,マダム フランケンシュタイン.
アルフォスの友人の娘で,その友人が亡くなった後にアルフォスと結婚.
病に倒れ亡くなる.

ジュスティーヌ モーリッツ

ウィリアムを殺害した犯人として,罪を着せられる.
フランケンシュタイン家と暮らしたこともあり,カロリーヌを献身的に看病するほど親しい仲.
美人.

怪物

ヴィクターの生み出した怪物.
この怪物のことを『フランケンシュタイン』だと思っている人が多い.
冒頭書いたとおり,フランケンシュタインは怪物の名前ではありません.ご注意ください.
怪物は,物語の最後まで「怪物」としか表現されません.こういった点を鑑みても,哀しき怪物です.

アガサ

以前は,一家パリで暮らしていた.
しかし,サフィーの父の逃亡をフェリックスが手伝ったことが発覚し,フランスから追放されドイツの片田舎に落ち延びる.

フェリックス

アガサの兄,サフィーと結婚.

ド ラセー

アガサの父,目が見えない.
フランス名家の出身.

サフィー

アラビア娘,トルコ商人の娘.

フランケンシュタイン あらすじ

若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインは,生命の起源に迫る研究に打ち込んでいた.ある時,ついに彼は生命の創造という神をも恐れぬ行いに手を染める.だが,作り上げた”怪物”はあまりに恐ろしい容貌をしていた.故郷へ逃亡した彼は,醜さゆえの孤独にあえぎ,彼を憎んだ”怪物”に追い詰められることになろうとは知るよしもなかった——.

文庫本のあらすじより引用.
文庫本のあらすじより引用.

フランケンシュタイン 人物相関図 【ネタバレあり】

フランケンシュタインの人物相関図.
フランケンシュタインの人物相関図.

〈了〉

著:メアリー・シェリー, 翻訳:芹澤 恵
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