デジタルメモ『ポメラDM250』を2025年秋頃に買った理由

キングジムの「ポメラDM250」

ポメラが気になり始めた背景

ずっとほしかったポメラ──と言うとやや誇張だけれど,前々から気になっていたキングジムの『デジタルメモ ポメラDM250』を購入した.
ポメラはその名の通り,メモに特化したデバイスで──というより文章しか書けない──書くことに集中できるため,文章を日常的に書く人たちの一部で好評のようだ.

少し個人的なことになるので申し訳ないのだが,僕は普段使うものがアナログ回帰をしていて,日頃の記録も紙のノートとペンを使っている.ただしデジタル普及した世の中では,紙のノートとペンだけでは,書いたものを世に出すことは難しい.
パソコンは持っているが,どうも書くことに集中できない──書くことに集中しているつもりでも,結局ほかのことを調べたり,AIを使って考えたりしてしまう──.
ちょうど「タイプライターのようなものがあるといいな」と考えていたところ,ポメラに出会ってしまった.

ポメラDM250が発売されたのは2022年.
ということは,(この記事を書いているのが2025年10月なので)現在発売から3年が経過している.電子機器のアップデートサイクルを考えると,そろそろ新型ポメラが出てもいい頃だ.
ちなみに前モデルのDM200が発売されたのは2016年.なので,そろそろ次世代機の噂が出てもよい頃合いだと思う.

しかし,どうもその気配は感じられないので「長年ポメラが気になっていたから買おう」と決意し,今のタイミングで買っている人もネット上では散見される.
そのような人の例に漏れず僕もポメラが気になって,新型を待ちきれず購入してしまった.

ポメラ購入前のリサーチ日記

電子機器がほしくなった人が高い確率で行うことといえば,下調べ──リサーチ──だろう.

ネット,家電量販店,はたまた中古品市場などで相場や最安値などを調べると思う.もちろん僕も,これらのことは当然調べて購入に至った.
この記事にたどり着いてくださった方は,少なからずポメラの購入を検討しているか,オーナーとなって愛用している方だと思うので,僕が買った時の価格相場も記録しておく.

まずはポメラ本体の定価,60,280円.これはキングジムの公式ページを参照.
次に多くの人が利用しているAmazon,42,573円(1,277ポイント).在庫も充実している様子だった.
続いて家電量販店.僕はビックカメラ,ヨドバシカメラを利用しているので,それぞれ調べたが,販売価格とポイント還元ともに同価格だった.ビックカメラ・ヨドバシカメラともに:46,830円(4,683ポイント).
最後にメルカリ.中古品で程度のよいものはあまり流通しておらず,ざっとみたところ3万円ちょっとで取引されている様子だった.

──と,このような状況なので,最安値を狙うならAmazon,アフターケアなどを重視するなら家電量販店で買うのがよいだろう,というのが僕の結論.

さきほども少し触れたが,DM250は販売から3年が経過しているので,次世代機の発売は正直気になるところ.電子機器の購入を考えるときは,「次世代機はいつ発売されるのだろうか?」というのはガジェット好きであれば必ず頭をよぎることだろう.

ITメディアに長文の非常によい記事があったので,そちらを参照にポメラの変遷を簡単に記載しておく.

  • 2008年:DM10
    最初のポメラ「DM10」が発売,iPhoneが発売された翌年である(ポメラも歴史が長い)
  • 2009年:DM20
    DM20が発売,当時はウェブでテキストが読まれるし書かれる時代だった.長文のテキストを書くという需要にポメラがハマったのだろう.
  • 2011年:DM100
    DM100が発売,折りたたみキーボードが廃止され現在のようなストレートタイプに変更されている.
  • 2016年:DM200
    DM200が発売,ポメラに最適化されたATOKが搭載されるなど,端末としての完成度がかなり高まった.
  • 2018年:DM30
    折りたたみキーボードの新型機,DM30が発売.E-Inkディスプレイが搭載されたモデル.
  • 2022年:DM250
    前モデル(ストレートタイプのポメラ)から6年を経て,DM250が発売.

リンク:文章を書くことと「ポメラ」という道具の奇妙な関係 その誕生から14年で「文房具」に到達するまで

参照元の記事は,ポメラクロニクルのような内容で,ポメラ使いにとっては非常に面白く読める.気になる人はぜひ読んでほしい.

以上のように,「1.価格相場は?」「2.次世代機はでるのか?」という2点を中心にリサーチを行い,「3.その他情報」として不具合の発生状況や周辺機器の充実度あたりを一通り調べて,最後は実機を見て購入の決断をした.
工業製品であり,電子機器のため,不具合の発生はある程度は許容すべきというのが持論である.Amazonのレビューや製品レビューでは,一部電源周りの不具合が報告されているので,その辺はある程度覚悟して買うことにした.

後述するが,こういった不具合レポートを読んだので,購入先は価格ではなくアフターケアを重視してビックカメラに決めた.

ポメラを買おうと決めた理由

「ポメラ,買わせていただきます!!」と最終的に決めたのは,実機を触り,一文二文タイピングして,外観を一通り眺めてからだ.

実機確認での一番のポイントは,キーボードとのフィーリングだと思う.
特にキーピッチ.フルサイズキーボード(僕の場合はMacBook)と比較すると多少狭いので,これから購入する人は可能な限り実機に触れてから買うことをおすすめする.

ポメラ購入時はキーボードのフィーリングをぜひ確認してほしい.
ポメラDM250とMacBook Airのキーピッチはこれくらい違います.

キーピッチ比較:ポメラ 17mm,MacBook Air 19.2mm

また,キーボードが静かという点もポメラキーボードの強みではあるものの,正直MacBookのキーボードの打鍵音とそれほど違いは感じなかった(どちらも静か).
静音キーボードであることは確かなので,周囲への音に配慮する人は安心してよいと思う.

外装に使われている素材は,おそらくABS樹脂.めちゃくちゃ良いかと問われると,正直そうでもない──というのが感想ではあるが,4万円程度する電子機器としての雰囲気は十分にあると感じている.
ABS樹脂は,耐衝撃性,強度,加工性のバランスのよい素材なので,身の回りにある電化製品によく使用されている.ガジェット好きには,なじみのある素材だろう.

質量は約620gで,外形寸法は,W263×D120×H18mm.少し大きめの手帳くらいなので持ち運びやすさ,携帯性はとても優秀だと感じた.

重さは620gと軽く,気軽に持ち運べる.鞄に入れてもかさばらない.
トラベラーズノート(レギュラーサイズ)と近いサイズ感.

このように,キーボードの感覚と外装の雰囲気,端末を閉じて抱えてみたときの印象を確認して「ほしい!!」と直感的に感じたので購入することにした.

あと,「ポメラの実機ってありますか?」という質問に丁寧に対応してくださったスタッフの方も購入を後押しした要因であることを追記しておきます.ビックカメラ天神1号館の従業員の方は,親切な人が多い印象をもっています.いつもありがとうございます.

周辺機器の話(純正アルミケースの初期不良にあたってしまった)

まとめに入る前に,周辺機器についてのややネガティブなエピソードを紹介しておこう.

ビックカメラで購入したことは最初に書いたとおりだが,ポイントもたまっていたので一緒に純正のアルミ製ケースを購入した.帰宅しポメラ本体と共にワクワクしながら開封,ポメラを入れてみようとケースを開いてみると──,内側の緩衝素材の接着があまかったせいだろうか,「ベリッ」という音をたててきれいに内側部分が剥がれてしまった.

これに加えて,アルミ製ハードケースということもあり,なかなかの重さだった(なんと560gと,本体と同じくらいの重量──).翌日,交換か返品をさせていただこうとビックカメラへ連日通い,在庫もないということだったので,迷わず返品を選択させていただいた(この際もスムーズで気持ちのよい接客だった).

純正のアルミケースは,高級感がありかなり防御力が高いことはメリットだが,トレードオフで非常に重たい.純正ケースを検討している場合は,買う前に一度自分がポメラをどのように持ち歩きたいかイメージしてみるとよいだろう.

購入して数日経過しているが,とても満足している

この記事はすべてポメラを使って書き,少しだけパソコンで編集して投稿している.

最初は,ショートカットキーや操作になれず,パソコンのように書けるか不安であったが,その不安は全くの杞憂だった.
むしろ,前評判のとおりで書くことに集中できるのもちろん,ネットからコピペもできないという環境は,自分らしい文体や言い回しを支持してくれる──という効果があることにも気付かされた.これは,現代の電子機器が持ち合わせていない最強かつ唯一無二の強み──ポメラのストロングポイント──だ.

デジタル環境でテキストを書くという行為は,少なからずコピペの誘惑にさらされ,多くの場合その誘惑に負けてしまう.記事を書くモラルを大切にしている人でも,一旦は参照する文章をコピペして,それを自分の文体に編集しているという場合もあるだろう.僕もそういった書き方を記事の一部では行っている.
しかし,ポメラでは基本的にはそれができない──やるとしても非常に面倒なので,自分の言葉で書いた方が早い──.

こういう100%自分の中から生まれた言葉で書いた文章は,コピペや生成AIが混じった文章とはディテールの異なった,その人にしか書くことのできない文章になるはずである.
そういった,混じり気なしの自分の文章が書けるツールとしても,ポメラは優秀であり,代替えの効かないツールだと思う.

ポメラを買って良かった.ぜひキングジムさんには,このポメラという存在を長く世に出し続けてほしい.

了.

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