レンズの画角について #写真についての覚書

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レンズの画角は,広角,標準,望遠の3つ分類される.

広角レンズは広い範囲を切り取り,望遠レンズは遠くの被写体を引き寄せたような感覚で撮影できる.標準レンズは,ちょうどその中間といった感じ.標準レンズに位置づけられている50mmという画角は「人間の目に近いレンズ」と言われ,この画角を好む写真家も多い.アンリ・カルティエ=ブレッソンも50mmを好んだ写真家の一人で,50mmのレンズでで撮影した多くの作品を残している.

被写体や自分が作りたい絵によって,適切なレンズを選ぶことが重要であり,自分が得意な画角を模索するのも写真を趣味にする醍醐味だろう.広角レンズは風景写真や建物を撮影しているの適しており,望遠レンズは野生の動物やスポーツ撮影に向いている.自分が撮りたいものを想像してレンズの画角を選ぶのもレンズ選びのポイントになる.新しいレンズを買うと写欲も上がるし,何よりレンズを買うのは愉しい.

これからカメラを買おうという人は,レンズ交換式カメラの購入を検討するとよいだろう.複数レンズを揃えることで幅広い撮影が可能になり,画角を理解し適切なレンズを使えるとった,よい意味での写真技術の向上スパイラルも生まれる.

広角,標準,望遠レンズについて

レンズの画角とは,撮影する範囲を表している.広角レンズは,より広い範囲を撮影できますが被写体が歪みやすい.一方で望遠レンズは,より遠くの被写体を引き寄せたように撮影できるが,狭い範囲しか撮影することができない.

iPhoneのカメラを広角にすると,レンズでいう13mmに相当する.この画角で撮影すると直線の物体が,よく見ると樽のようにカーブしているのが分かると思う(撮影範囲の外側にいくほど顕著).これが被写体が歪みやすいということ.

また,同じくiPhoneの望遠側はレンズでいう77mmに相当する.77mmはカメラでは中望遠に該当するので,圧縮効果と呼ばれる被写体を引き寄せたような写りをする.

画角によって,同じ被写体を同じサイズになるように写しても,写り込む背景の範囲が変わり,結果写真の見え方も変わってくる.複数のレンズを持つようになったら,同じ被写体を異なったレンズで撮り比べてみるのも愉しい.

ちなみに画角は,焦点距離によって決まる.焦点距離が短いほど広角になり,長いと望遠になる.例えば,大まかな目安ではあるが,35mmまでが広角,50mm前後が標準,100mm超えてくると望遠と覚えておくとよいだろう.70mm〜90mmくらいは中望遠と呼ばれたりもする.

カメラを選ぶ際には、どのような被写体を撮影するかによって、適切な画角のレンズを選ぶことが重要です。また、レンズ交換式カメラを使う場合には、複数のレンズを用意することで、より幅広い撮影が可能になります。

画角によって,撮影された写真の雰囲気も変わってくる.前述したとおり,広角レンズを使うと被写体の周りの風景も広く写り込むため,開放的で広がりのある写真になる.一方,望遠レンズを使うと,画面の中で被写体が占める割合が多くなり,背景もぼけやすいため被写体を引き立てるような写真を撮りやすい.

以上が,カメラレンズの画角についての簡単な解説.撮りたい写真のイメージにあったレンズを選ぶことができ,それがデータや実際の写真として目の前に現れたときは,なんとも言葉に出来ない喜びを味わうことができるだろう.

<了>

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