ツイッター投稿「音韻」から、うつ病の兆候を発見する新研究について【ニュースキュレーション】

Mathematician is writing financial figures on a board/PHOTO: iStock by Getty Images

台湾国立精華大学の研究チームが、ツイッターなどの投稿から躁うつ病の兆候を発見できるとする研究の結果を発表しました。

ツイッター投稿の「音韻」から躁うつ病の兆候を発見する新研究

↑は、このブログでも何度か紹介している『MITテクノロジーレビュー(日本版)』の記事です。
気になるニュースだったので、その内容について今日は書いていきたいと思います。

記事内の引用について

記事内の引用は、すべて文末のSourceNoteからとなります。


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ツイッター投稿「音韻」から、うつ病の兆候を発見する新研究について

Professional doctor holding tablet/PHOTO: iStock by Getty Images

台湾の研究チームがツイッターの投稿からうつ病の兆候を発見できるという研究結果を発表しました。
単語を声に出した時の『破裂音のエネルギー』を測定基準としていて(この点がユニークな発想らしい)、機械学習による識別の正確度は90%を超えたそうです。

台湾の国立精華大学の研究チームが、ツイッターの一連の投稿を分析することで双極性障害(躁うつ病)の兆候を発見できるとする研究結果を発表した。

単語が発話されたときの破裂音のエネルギーを基に新しい音韻測定基準を開発した点がユニークで、機械学習アルゴリズムによる識別の正確度は90%を超えたという。

双極性障害=躁うつ病

にかかると、極端に気分が高揚したり落ち込んだりします。
患者の30%が自殺しているという推定もあり、初期に兆候を発見することが非常に重要とされています。

双極性障害(躁うつ病)にかかると、深刻なうつ状態の期間と気分が高揚した躁状態の期間を繰り返す。双極性障害の人は極度に高揚して活動過剰になったり、ひどく気分が落ち込んで無気力になったりする極端な振る舞いを示す。患者のうち30%の人が自殺で亡くなっているという推定もある。

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この研究を発表したのは、台湾国立清華大学イエンハオ・ファンさんとその研究チームです。

双極性障害が発病するときの特徴は、

  • 過度なおしゃべり
  • 睡眠障害
  • 急速な気分のの変化

などの症状です。

ファンさんと研究チームは、多くの患者が診断日などの自身の詳細な状態を、SNSなどを使ってシェアしている点に目をつけました。

台湾の国立清華大学に所属するイエンハオ・ファンの研究チームは、ソーシャルメディアによって双極性障害の初期兆候を発見する手法を開発したと発表した。

そして、双極性障害と診断された400人以上の人たちが投稿した、1万件ものツイートを分析・比較します。
投稿パターンと時間の経過を正常な睡眠パターンと一致させたり、投稿の頻度・感情的な発言や使われている単語の種類も観察しています。

また、単語が発話された時の『破裂音エネルギー』を調べて、新しい音韻測定基準というものを開発します。
「双極性障害初期の人がエネルギーが高い言葉を多く使うのではないか?」というふうにチームが予測したからです。

投稿パターンを時間の経過とともに確認して、正常な睡眠のパターンとどの程度一致するかを調べ、ツイートの頻度から各ユーザーのおしゃべりの程度を計測した。また、感傷的あるいは感情的な内容のツイートで使用されている単語の種類を観察した。

チームはさらに、各単語が発話された場合の破裂音のエネルギーを調べて、これまでにない新しい音韻測定基準を開発した。このアイデアは、双極性障害の初期兆候のある人はエネルギーの高い単語をより多く使うのではないかという考えに基づいている。

最後は、これらのデータを機械学習のアルゴリズムにかけて測定します。
その結果、双極性障害の初期兆候のある人とない人の識別結果は90%以上に達したそうです。

単語の音韻エネルギーを測定するという新しい音韻測定基準は非常に有効だ。「純粋な文章の全体モデルに音韻の特徴を適用するだけで、91%を超える識別精度を達成できました」と研究チームは話す。

今回は記事末のSourceNoteにある「ツイッター投稿の「音韻」から躁うつ病の兆候を発見する新研究」というMITテクノロジーレビューの記事を紹介させていただきました。

このようなテクノロジーの研究に資金が投下され、人々にとって有用な技術革新が進むことは非常に良いことだと思います。
「世界でもっとも革新的な国家」の1位に、韓国が選ばれているのも。ナットクですね。

ちなみに、同ランキングでは日本は6位(米国は10位以下)だそうです。
日本の革新性が今後も上がることを願って、終わりにしたいと思いますm(_ _)m

SourceNote

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