絵描きだった父が,今年の夏に他界した.実家のアトリエには沢山の作品を,本棚には多くの本を遺してくれた.「アトリエのものは,君に全部あげる」というのが,唯一の遺言めいた言葉だったので,言われたとおり遺された作品たちは僕の好きなように使わせていただこうと思う.
ということで,2021年から盛り上がりを見せているNFTで,これらの作品の一部をデジタルデータに変えて販売をしてみようと考えている.ちょうど数年前に取り組んでいた,ペットポートレートの企画で描かれた愛らしい犬と猫(ウサギも数点あったかな)の絵が20〜30枚ほどあるので,これらをOpenSeaのコレクションにして売ってみようというのが今回の目論見だ.
最近は日本でもNFTに興味を持つ人が増えているので,NFTとしてデジタルアートを出品する準備は,比較的すんなりと完了した.以前,eBayでものを売っていたこともあるのだが,それよりも出品までの流れは簡単だと感じた.NFTでデジタルアートを販売する準備は,大まかに以下の5つのステップに分かれる.
- コインチェックに登録してEthereumを買う
- MetaMaskでウォレットを作って,Ethereumを送金する
- OpenSeaにウォレットを連携する
- OpenSeaでCOLLECTIONを作成する
- COLLECTIONにアイテムを追加する
現状,COLLECTIONに最初のアイテムを追加するところまでは終わったので,これからはCOLLECTIONのテーマやプロモーション方法を考えつつ,アイテムを充実させNFT宣伝用のウェブサイト構築を進めていこうという作戦だ.
実際にNFTを触りはじめてみたが,新しいことを覚えるのはとても楽しく,ブロックチェーンやNFTの未来を考えるとワクワクしてくる.「メタバース」や「トークンエコノミー」のような,これから発展することが確実なテクノロジーと親和性が高いこともNFTの魅力のひとつだと感じる.
また,NFTの販売方法についてリサーチしていくと,NFTを作って売るということは,1個のブランドを立ち上げて育てていくような仕事に近いということが解った.これはOpenSeaの「COLLECTIONの特徴」が影響しているせいかもしれないが,手元にある作品の特性やNFTで売れている作品を調べながら,空いているマーケットを狙って売る仕組みをきちんと考えて実践していこうと思う.
NFTを触っている人はまだ日本では少ないだろうから,これを読んで「楽しそうだから自分もやってみよう」と考える人が一人でも増えてくれることを願う.〈了〉