『カーテン 』— ポアロ最後の事件 — 未読は許されないミステリーの傑作だったので,事前に読むべきクリスティ作品を紹介します.#読書備忘録

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アガサ クリスティの小説『カーテン』を読み終えた.感想はタイトルに書いたとおり,クリスティとポアロファンとして未読は許されない傑作だった.クリスティ作品の読書のお供に使っている『アガサ・クリスティー完全攻略』で,ポアロ作品のおすすめ1位とされていたのも納得である.

『カーテン 』— ポアロ最後の事件 —

未読は許されないミステリーの傑作だった.

読後の感想
アガサ クリスティの100の作品群を丁寧にレビューしてある文庫本.
レビューが的確で,クリスティを読むときの副読本としておすすめ.

本作『カーテン』は,副題に「ポアロ最後の事件」とあるとおり,クリスティの生み出した名探偵ポアロ最後の事件となる.ポアロシリーズの33作目として刊行されているが,作品が執筆されたのは1940年代初頭だ.

1940年代といえば『そして誰もいなくなった』や,同じポアロシリーズ『白昼の悪魔』『五匹の子豚』が発表された時代で,クリスティが作家として最も脂の乗っていた時期.『そして誰もいなくなった』の前年には,これまた傑作のひとつである『死との約束』も書かれているので,本当にこの時期のクリスティ作品は「ハズレ無し」と言ってよいだろう.

『カーテン』と近い年代に書かれたクリスティの作品群
  • 死との約束(1938年)
  • そして誰もいなくなった(1939年)
  • 白昼の悪魔(1941年)
  • 五匹の子豚(1942年)
  • カーテン(1940年代に執筆>1975年発表)

何度も言うように,『カーテン』はクリスティの傑作のひとつである.だが,本作を堪能するためにも,何作かポアロシリーズを読んでおくことをおすすめする.↑で挙げた『白昼の悪魔』『五匹の子豚』や,ポアロが初めて登場する『スタイルズ荘の怪事件』,初期の代表作『アクロイド殺し』『ABC殺人事件』あたりがよいと思う.

ポアロ登場作品の時間は,『スタイルズ荘の怪事件』>『アクロイド殺し』>『ABC殺人事件』>『死との約束』>『白昼の悪魔』>『五匹の子豚』>『カーテン』で流れている.ポアロ作品未読であれば『スタイルズ荘〜』を最初に読み,『カーテン』との間に書かれた作品を少なくとも2〜3作ほどを読んでから『カーテン』に臨むことを推奨する.『カーテン』という作品を読むためには,これくらいのまわり道は何てことはない.

『カーテン』以前に読むべき,おすすめのポアロ作品.
  • 『スタイルズ荘の怪事件』☆
  • 『アクロイド殺し』
  • 『ABC殺人事件』☆
  • 『死との約束』
  • 『白昼の悪魔』
  • 『五匹の子豚』

『カーテン』には,ポアロの親友であるヘイスティングズが登場する.ヘイスティングズ語りで物語が展開していくので,同じヘイスティングズ視点で描かれる(☆マークを付けておいた)作品も抑えておくとよいだろう.ヘイスティングズはよき相棒でありポアロ最大の理解者でもある.『カーテン』以前のヘイスティングズ登場作品も数作は読んでおくと,『カーテン』を読み終えたあとの感動/驚き/余韻が何倍にもなるだろう.(以下,ヘイスティングズが登場する作品をWikipediaから引いておく)

ヘイスティングズ登場の長編作品
  • 1920年 スタイルズ荘の怪事件(事件当時30歳)
  • 1923年 ゴルフ場殺人事件
  • 1927年 ビッグ4
  • 1932年 邪悪の家
  • 1933年 エッジウェア卿の死
  • 1936年 ABC殺人事件
  • 1937年 もの言えぬ証人
  • 1975年 カーテン

『カーテン』は,ポアロ最後事件であり,クリスティが好きであれば未読では勿体ないミステリー小説の傑作である.このミステリー史に残る名作『カーテン』を堪能するために,事前にいくつかのポアロ登場作品を読んでおくとよいだろう.それだけ時間をかけてももとが取れるほど『カーテン』はクリスティの代表作であり名作なのだ.

『カーテン』は,ポアロ最後事件であり,クリスティが好きであれば未読は勿体ない.ミステリー小説の傑作である.
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登場人物紹介(ネタバレなし)

最後に,読書のお供として簡単な登場人物紹介を添えておく.登場人物を覚えるのが苦手な人は,『カーテン』を読みながらスマホで開いておくと,読書の流れを止めること無く物語を楽しむことができだろう.

エルキュール ポアロ

私立探偵.

ヘイスティングズ大尉

ポアロの友人.

ジュディス

ヘイスティングズの末娘.

ジョン フランクリン

フランクリン博士.ジュディスの雇い主で科学者.

バーバラ フランクリン

フランクリン夫人.ジョンの妻.
キャリントン卿とは,幼馴染という間柄.

クレイヴン

バーバラの身の回りの世話をする看護婦.

スティーヴン ノートン

鳥類愛好家.いつも観察用に双眼鏡を携帯している.

ウィリアム ボイド キャリントン卿

準男爵.
20歳ほど年が離れているが,バーバラとは幼馴染.ビルの愛称で呼ばれることもある.

アラートン少佐

いわゆるイケメン.スタイルズ荘に宿泊している女性たちからも人気者.
レナード エザリントンとは知り合いだった(本人も認めている).84p参照.

エリザベス コール

30代の女性.本名はマシュウ リッチフィールド.

ジョージ ラトレル

大佐.スタイルズ荘の経営者.

ディジー ラトレル

ラトレル夫人.
ジョージの妻でスタイルズ荘の切り盛りは,実質的にディジーが行っている.

カーティス

ポアロの使用人.
ポアロは歳を重ね病で身動きしづらい状態にあるため,身の回りの世話をカーティスに依頼している.

関連する5つの事件と人々

『カーテン』では,関連する5つの事件(と人物)が登場する.これらの事件も,犯人を推理する際に重要なので概要を理解しておくとよいだろう.『カーテン』の30〜33ページで詳細が紹介されているので,適宜参照にしつつ犯人を推理してみるのも楽しいと思う.

  • 事件A: レナード エザリントン
  • 事件B: ミス シャープルズ
  • 事件C: エドワード リッグズ
  • 事件D: デレク ブラッドリー
  • 事件E:マシュウ リッチフィールド

〈了〉

SourceNotes

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