Evernoteのコンテキストはセレンディピティ的にコンテンツと出会える機能である

筆者はEvernoteを2010年くらいから利用し始めており、今年で利用歴6年目に突入します。
有料プランであるプレミアム会員へは2012年から登録し、以後更新を続けています。

登録しているノートはまだ4000個ほどなので、ヘビーユーザーの方からしてみたらペーペーみたいなモノですが…
長年愛用しているEvernoteと有料プランの機能Context(以下コンテキスト)について、メリットや今後期待する改善点などをまとめておこうと思います。

Evernoteの利用をお悩みの方や、今後有料プランへのアップグレードを検討中の方にとって少しでも参考になれば幸いです

コンテキストとは!?

コンテキストとはEvernoteの現在開いている(または作成中の)ノートに関連する記事を、自動で表示してくれる機能のことを指します。
2014年11月から、Evernoteの有料アカウントユーザー向けに提供されはじめた機能です。

コンテキスト導入以前も「関連するノート」というカタチで記事のレコメンドしてくれていましたが、コンテキストに変更されてからは外部の情報と連携するようになりました。

2016年2月現在で連携しているメディアは以下の13個です。
(SNSのLinkedInを含む)

The Wall Street Journal(※)
TechCrunch(※)
PandoDaily(※)
Fast Company(※)
Inc.(※)
日経新聞電子版
Lifehacker(※)
Forbes(※)
日経ビジネスオンライン
ITpro
日経テクノロジー
日経アーキテクチャ(KEN-Platz)
LinkedIn

連携するサイトの注意点ですが、※マークはすべて海外サイトとの連携のみになっています。
例えば、WSJ日本版を利用中で連携を行った場合もコンテキストで表示されるのは海外サイトの記事のみです。

その他も現状では半数以上が海外メディアになっていますので、英語記事を表示させたくない場合は個別で連携をオフにしておくことをお勧めします。

個人的にはせっかく好きなメディアと連携しているので、日本版のサイトとも早く連携してくれればと望んでいます。
先日、Evernoteのセミナーに参加してきましたが今後は改善の予定もあるようなので期待できそうです。

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コンテキストが表示されない!?

コンテキストは、Evernoteの有料プラン利用者向けのサービスです。
ここでは、少しだけEvernoteのプランについて触れておくことにします。

Evernoteには、4タイプのプランが用意されています。
・無料で利用できるベーシック(無料)
・モバイル機能が充実したプラス(2000円/年)
・全機能が利用できるプレミアム(4000円/年)
・企業向けのビジネス(1100円/ユーザー/月)

↑4つのプランの内、コンテキストの機能が使えるのは「プレミアム」と「ビジネス」のアカウントのみです。
個人でコンテキストの機能を使うためには、プレミアム会員にアップグレードする必要があります。

ちなみにプレミアムプランは、Evernoteの全機能を利用することができとても便利です。
「ほとんど毎日Evernoteを使っている」という人は、一度アップグレードしてみると良いでしょう。

月間10GBまでファイルのアップロードが可能で、Evernoteの強みである検索機能もより精度が向上します。
名刺のスキャンデータをデジタル化したり、ノートを一瞬で見栄えのよいプレゼン資料にすることもできます。

ベーシック プラス プレミアム
データを保存するための基本的な機能が揃っています。まずはこのプランからスタートしてみると良いでしょう。 モバイル向けの機能が充実しています。アップロードの容量が不足している場合はおすすめのプランです。 Evernoteの全機能が利用できます。コンテキストはプレミアムとビジネスのみで利用可能です。
【ベーシックの主な機能】
・60MBの月間アップロード容量
・気になるWebページをクリップ保存
・スマホとPCでデータの同期
【プラスの主な機能】
・1GBの月間アップロード容量
ノートをオフラインで閲覧可能
・モバイルアプリにロック機能が追加
・メールをEvernoteに保存
【プレミアムの主な機能】
・10GBの月間アップロード容量
・Office文書や各種ファイルの中も検索(OCR対応)
・ノートをプレゼン資料に即変換可能
・添付のPDFファイルに注釈を追加
・名刺をスキャンしてデジタル化保存
・ノートの編集履歴にアクセス可能
・Context機能の利用が可能
無料 2000円/年間
(240円/月も可)
4000円/年間(450円/月も可)
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コンテキストの仕組み

コンテキストは、Evernote独自のアルゴリズムによって関連するノートや連携しているコンテンツから記事をレコメンドしてくれます。
Evernoteの担当者の方によると、アルゴリズムの改善は随時行われておりレコメンドの性能も向上しているそうです。

コンテキストを設定しておくと、現在開いているノートや作成中のノートに関連の強い記事や過去のノートを“4つ”自動で表示してくれます。
現在は、表示される記事の数は変更不可、リロード(再読込)もすることもできません。

今後は表示される記事の数を設定できたり、レコメンドが気に入らない場合は再読込ができるように改善されると良いと感じています。

筆者は、良くニュースの記事などを新聞の切り抜きのような感覚でEvernoteに保存するのですが日経新聞の記事などは同じ記事がコンテキストとして表示されることがよくあります。
この辺りのアルゴリズムも今後のアップデートで改善されることを期待しています。

Evernoteのセミナーに参加した際に、コンテキストの機能についてかなり質問をしてしまったのですが

『Context = セレンディピティ的な記事との出会い』

をコンセプトに設計されていると教えていただきました。

確かに、先日保存した「テイラー、ブリトニー、アデル…ポップスター14人の今と昔」というバズフィードの記事に対して

・音楽シーン、今年の主役は(日経新聞電子版)
・YouTubeやFacebookの再生時間も徹底網羅!動画共有サービスと各SNSの連携一覧(ITpro)
・2015年の「ベスト・アルバム」11選(過去の保存記事より)

などを表示してくれた時は、興味がありコンテキストから記事を読ませて頂く機会が生まれました。

コンテキストの中で「レコメンド」と「過去の保存」が別れて表示されたり、ダブっている記事は自動で表示させないようになればこのようなセレンディピティ的な記事との出会いも増えると思います。

コンテキストはどのような情報が表示されるのか?また変更は可能か?

コンテキストは、3種類の情報の中から選別されたものを表示してくれます。

・過去のノート
・連携しているメディアの記事
・関連する人物のLinkedIn

この中で「メディアの記事」と「関連するLinkedIn」は、設定から表示させないようにすることが可能です。
更に、メディアについて個別で設定を行うことができます。

また、コンテキストの機能自体が不要な場合は簡単にオフにすることもできます。

コンテキスト | プラットフォーム毎の設定方法

コンテキストは、以下のEvernoteのプラットフォームに対応しています。
→Evernote for Mac・Windows・iOS・Android

プラットフォーム毎に、設定方法が若干異なっています。
各プラットフォームごとの設定方法は以下のとおりです。

【Evernote for iOS の場合】
設定画面で「全般」→「コンテキスト」をタップし、表示させる情報の種類を選択してください。

【Evernote for Mac】
環境設定画面の「コンテキスト」タブをクリックし、表示させる情報の種類を選択してください。

【Evernote for Android】
オプション(点線)ボタンから「設定」→「コンテキスト」をタップし、表示させる情報の種類を選択してください。

【Evernote for Windows】
「ツール」メニューの「オプション」→「コンテキスト」タブをクリックし、表示させる情報の種類を選択してください。

コンテキストの設定画面に移動したら、どのメディアの情報を表示させるか・コンテキストの機能自体をオフにするかを設定することができます。
iOS版は表示させたいコンテンツをオン(スイッチを緑)、Mac版の場合は表示させたいコンテンツにチェックを入れると設定が完了します。

ウォール・ストリート・ジャーナルと日経新聞電子版について、サービスと連携をすることで表示されるようになります。
連携のボタンをクリックして、連携を行っておきましょう。

公式サイトの情報によると、現在は表示される関連情報の精度向上に注力しているそうです。
将来的にはEvernote利用者にとって有益なメディアを追加していく予定があるようなので今後連携メディアが増えることにも期待したいですね。

現在は表示される関連情報の精度をさらに上げることに注力しています。また将来的には、Evernote ユーザにとって有益と判断できれば、関連記事の提供元を他にも追加する予定です。
参照:Evernote公式サイトより

数年前から、日本でもキュレーションサイトの人気が高まっています。
スマートニュースニュースピックスなどEvernoteと相性の良さそうなメディアと提携して、記事をキュレーションしてくれると有料プランの利用者も増えそうです。

Evernoteコンテキストについてのまとめ

Evernoteのコンテキストの機能の特徴はご紹介したとおりです。


・有料の「プレミアム」「ビジネス」プランのユーザーのみ利用できる
・13個の外部メディアと連携し情報を表示してくれる
・参照される情報は4つまで
・表示される情報を設定で選択できる


Evernoteで資料の作成や文章の下書きを行なう場合は、関連する情報を自動で表示してくれるので便利です。
また「コンテキスト = 記事とのセレンディピティてきな出会い」をコンセプトにアルゴリズムが組まれているため、思いがけない記事と出会ったりすることもあります。

有料プランをすでに契約しいる場合は、作成する資料の下書きをEvernoteのノートを使って行ってみてはいかがでしょうか?

文章を作成していくと関連する情報が表示され引用に利用したりできるので、文章に深みが増したりする効果が期待できます。

一方、コンテキストは改善を期待する部分もまだ沢山あります。

・レコメンドする情報が重複してしまう
・連携するメディアが少ない
・連携するメディアに海外サイトが多い

この辺りは、日本のユーザーにとってはコンテキストの魅力を半減させてしまうので今後の改善に期待したいと思います。

この様に、コンテキストだけに的を絞ってしまうとメリット・デメリットが半々のように感じてしまいますが、Evernoteの有料プランはそれを補う便利な機能が多数備わっています。
年間のプランで4000円(月額換算=約340円程度)なので、Evernoteを毎日利用する人にとってはとてもお得に感じる料金プランです。

最後になりますが、Evernoteの大きな特徴は『使い続けるほど、保存した情報が増えるほど便利さが増す』点にあります。

Evernoteを本格的に利用していない方は、まずは無料版から利用をはじめてみてはいかがでしょうか?

そして、気になる記事や保管に困っている紙の情報やデータ等をとにかくEvernoteに保存していきましょう。
ポイントは“なんでもEvernoteに保存してみる”ことです。

情報が必要になったら、Evernoteの検索窓にキーワードを入れましょう。
強力なEvernoteの検索機能が、きっとあなたの求めている情報をとりだしてくれるでしょう。

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