『いきなりサイエンス』サイエンスの入門書としてベストな一冊

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『いきなりサイエンス』サイエンスの入門書として最適の一冊

abstract brain tech computer intelligence design concept background

abstract brain tech computer intelligence design concept background/
PHOTO: iStock by Getty Images

『いきなりサイエンス』という本は、2タイプの人にぜひ読んでほしいと思っている。

ひとつは、科学という言葉にちょっと興味があるタイプの人。
もうひとつは、『フェルマーの最終定理』『暗号解読』『銃・病原菌・鉄』のようなサイエンス系の良書に、残念ながら一度挫折してしまったタイプの人だ。

『いきなりサイエンス』は、サイエンスというジャンルの入門書として最適の一冊だと思う。
理科や算数に興味のあるお子さんをお持ちであれば、ぜひ買ってあげてほしい。

ちょっと大げさかもしれないが、本の冒頭紹介されている「大切なのは、疑問を持ち続けることだ。神聖な好奇心を失ってはならない」という言葉を残した、アインシュタインのような偉大な科学者になるかもしれない。

genius girl

Little girl genius working on a mathematical equation/
PHOTO: iStock by Getty Images

もちろん↑で紹介したサイエンス本を、さらっと読み終えてしまうような科学・数学の知識に明るい人でも、きっと新しい発見があると思う。
興味があれば「何だ科学の入門書か〜」と思わず、目次だけでも目を通していただきたい。

「電気を消すと、あかりはどこへ消えるのか?」「不眠の3日目には人間はどうなってしまうのか?」といった疑問に答えられなければ、きっとそのまま本を購入してしまうだろう。

『いきなりサイエンス』の原著は『Asap SCIENCE』というタイトル。
ちなみにAsapとは「As soon As Possible」の略語で、「なるべく早く」「至急」といった意味だ。

タイトル通り、科学にあまり興味を持っていない人が「いきなり」読んでも、存分に楽しんでいただける内容だと思う。
それは、本書が「関節はなぜポキポキなるのか?」「なぜ臭いおならと臭くないおならが出るのか?」「口が臭くなるのはなぜか?」のような日常生活で起こる疑問に真っ向から挑み、それを科学的に解決・解明しようとしてくれているだからである。

誰でも「口が臭い」と思われたくはないし、なるべく人前で「臭いおなら」はしたくないものだ。
「落とした食べ物は、5秒以内に拾えば食べてもOK」といった、都市伝説レベルの話題にも真っ向勝負なので、さらに感心してしまう。



なぜ男子は「朝勃ち」するのか!?

Diamond Fuji

Mount fuji with diamond by lens flare on the top at Lake kawaguchiko in morning./
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さて、ここまで読んでいただけたので、少し踏み込んだ話題に移ってみよう。
それは、男性諸君であれば経験したことがあるであろう「朝勃ち」についてだ。

朝勃ちは「夜間陰経勃起現象」という正式な呼び方があるらしい。
これだけでもちょっと驚きだ。

朝勃ちに深く関係してくるのが、睡眠周期だ。男性は夜寝ている何度か勃起を体験している。
就寝中、われわれはノンレム睡眠からレム睡眠を周期的に、交互に体験することになる。ひと晩で4、5回巡ってくるレム睡眠時に人は夢を見る。

だが、それだけではない。身体各所でもさまざまな生理的変化が起きるのだ。

言い換えると身体を調整するために、脳が特定の神経伝達物質を遮断しはじめるのである。その遮断される神経伝達物質のひとつにノルエピネフリンがある。

これこそ、勃起の制御に関係する物質にほかならない。特にペニスの血管収縮を促し、勃起を抑える働きを担っている。まあようするに、ペニスに流れる血流に「一時停止」を出す役割だ。

レム睡眠に入ると、このノルエピネフリンが減少するいっぽう、男性ホルモンであるテストステロンが活性化されることになる。

これが朝勃ちにの時に、男性の身体で起こっている現象である。
夜中に勃起することで、ペニスの機能を維持したり、システム修復の効果もあるらしい。
さらに驚きである。

では、どうして目覚めた時に朝勃ちしていることが多いのだろう?
そんな疑問に対しても、もちろん答えが記されている。

それは、われわれはレム睡眠に目覚めることが多いのでからだ。そう、朝勃ちはレム睡眠時の「名残り」なのである。



アラームで起きるのは明日から止めよう

Young beautiful blonde woman lying in bed

Young beautiful blonde woman lying in bed/
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ところで、みなさんはスマホのスヌーズ機能を使っているだろうか?
筆者は本書を読んだ翌日から、iPhoneのスヌーズ機能を使うことを一切やめてしまった。
なぜなら、スヌーズ機能には全く科学的なメリットが無いからである。

ご存知の方も多いだろうが、スヌーズ機能とは「あと5分だけ寝ていたい」というときに、解除するまでアラームが鳴り続ける機能のことだ。
「二度寝は気持ちいい」と感じている人も多いだろう。
しかし、スヌーズ機能で、本当に朝起きは快適なものになっているのだろうか??

元来人間には自然に目覚めるための科学的な仕組みが、数多く備わっている。

目覚めの数時間前から、人間の体は起きるための準備を始める。体温が上昇し、睡眠が浅くなり、ドーパミンとコルチゾールというホルモンが分泌され、一日を始めるためのエネルギーが与えられる。

アラームで起きるということは、この身体が持つ自然な睡眠サイクルを無視して目覚めることになる。
アラームが鳴っても、身体が自然に起きる準備ができてないことが多く、その時に無理やり起きることであの意識朦朧とした疲労感満載の目覚めとなる。

実はスヌーズを設定することは、百害あって一利なしなのだ。スヌーズにして二度寝、三度寝すると、睡眠サイクルが入眠時に戻って、眠りがより深くなってしまう。そうなると身体は起きる準備をするどころか、深く眠りに入る準備をはじめてしまう。こうして、どんどん寝覚めが悪くなる悪循環が引き起こされていくのである。
結局、スヌーズ機能で質のいい睡眠を何度も中断するよりは、思い切って遅い時間に時計のアラームを設定しなおす方がおすすめなのである。

断続的な睡眠は疲労回復をさらに遅らせ、睡眠障害の原因になることも研究で証明されているらしい。
目覚めるまでに30分もかかっているようでは、日中のパフォーマンスにも悪影響を及ぼす。

本の中で著者が勧める一番の対策は、毎日決まった時間に起きること。
行きたくない飲み会などはさっさと切り上げ、『いきなりサイエンス』を読んで眠ってしまうべきである。

このように、身の回りにある誰もが一度は感じたことがあるような疑問への答えが、『いきなりサイエンス』には37個も紹介されている。
くすっと笑えて、実生活にも役に立つ、なんと本の価格は1380円だ。
消費税込みでも、1エピソード=約40円である。買わない手は無い。

「寒いと風をひくのはどうして?」というテーマもあるのだが、本書を読んで今年の冬に風邪をひかずに過ごせば、もう本代のもとは取ったようなものである。

なんと費用対効果の高い本だろうか。

『いきなりサイエンス』『うんこドリル』いま最も注目の文響社(ぶんきょうしゃ)

Adorable little child, boy, sitting in a book store

Adorable little child, boy, sitting in a book store, reading books/
PHOTO: iStock by Getty Images

そんな、我々を風邪から守ってくれるナイスな本を書いたのは、ミッチェル・モンフィット氏とグレッグ・ブラウン氏。
世界中に600万人ものフォロワーを持つ、人気YouTubeチャンネル『Asap SCIENCE』の創設者である。

『Asap SCIENCE』は、英語のコンテンツだがイラストも多い。
多少言葉が分からなくても、楽しく視聴できるだろう。

『いきなりサイエンス』は、『人生はニャンとかなる!』や『人生はワンチャンス!』で有名な、文響社が発行する書籍だ。
文響社…、いかにも古くからある出版社のような響きだが、この出版社は10年ほど前にできたばかりのベンチャー出版社である。
『人生はニャンとかなる!』『人生はワンチャンス!』などの本でも有名だ。

『人生はニャンとかなる!』『人生はワンチャンス!』のように、『いきなりサイエンス』でもほとんどのテーマにイラストが挿入されている。
ちなみに、最近小学生に大人気の『うんこドリル』を出しているのも文響社だ。

堀江貴文氏のYouTubeチャンネル「ホリエモンチャンネル」でも文響社について紹介されているので、興味がある人はこちらもチェックしておこう。

『フェルマーの最終定理』からスタートし、最後はなんと『うんこドリル』の話になってしまった。
全くまとまりそうにないので、このあたりで『いきなりサイエンス』の解説を終わろうと思う。

「知的好奇心が爆発しそう」と、少しでも感じていただけたのであれば幸いである。

SourceNote

『いきなりサイエンス』

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